鳥類最大!世界で最も大きい鳥は?2025年発表のランキング

鳥類には、地球上でも指折りの巨体を誇る生物がいます。例えば現生種ではアフリカやオーストラリアに生息するダチョウが知られていますが、
その一方で、過去には体重860kgに達したマダガスカルの絶滅種「象鳥」がいました。この記事では、体重・翼開長・身長などの指標から「鳥類最大」を探り、飛べる鳥と飛べない鳥の世界記録や、
歴史上の巨大鳥類をご紹介します。最新の研究データにも基づき、鳥の「大きさ」の謎に迫ります。

鳥類最大:世界で最も大きい鳥は?

「最大の鳥」を決めるには、体重や身長、翼開長など複数の指標を考えなくてはなりません。例えば、アフリカに生息するダチョウは身長約2.7m、体重155kg以上と大柄です。
一方、翼開長ではアホウドリ類が約3.5mに達し、その長い翼で広大な海域を渡ります。本節ではこれらの指標を軸に、鳥類の中で最も大きい種を検証します。

鳥類最大の指標: 体重・身長・翼開長

鳥の「大きさ」を示す指標として、体重・身長・翼開長が挙げられます。体重はその鳥の重さ、身長は地面から頭頂部までの高さ、翼開長は翼を広げた長さです。一般に飛べない鳥は飛べる鳥より体重・身長で優位になる傾向があり、一方で飛べる鳥は翼開長が際立って大きいのが特徴です。これらの指標から、鳥類最大の種を見ていきましょう。

体重で最大の鳥類

体重で最大を記録する鳥は過去を含めマダガスカルに棲んでいた象鳥(エレファントバード)で、個体によっては860kg以上に達したと推定されています。
現生種ではアフリカダチョウが最重量で、オスの大型個体は155kgを超えた記録があります。これに次ぐのが南米のダーウィンレア(ドゥマヌシ亜科)やニューギニア・オーストラリアのヒクイドリ(カソワリウス属)で、いずれも体重は50~80kgに達します。

身長で最大の鳥類

身長ではニュージーランドの巨大モア(Dinornis属)が史上最大で、成鳥は3.6mに達した個体もいたと推定されます。一方、象鳥は体高約3.0mで現生鳥類では最大でしたが、モアの記録には及びません。
現生ではアフリカダチョウがトップで、大柄なオスは2.7mを超える身長に育ちます。

翼開長で最大の鳥類

翼開長では現存最大がオオアホウドリ(Diomedea exulans)で、平均で約3.5m、最大記録は3.7m以上です。しかし史上最大の翼開長を誇るのは2500万年前に生息したペラーゴルニス・サンデルシー(Pelagornis sandersi)で、その翼幅は7.4mに達しました。
また、約600万年前のアルゲンティビス(Argentavis magnificens)は翼開長約7.0m・体重60~80kgと推定され、飛べる鳥としては最重量記録を持っています。

飛べない鳥で最大の種

次に、飛べない鳥(飛行能力を持たない鳥類)の中で最大の種を見ていきます。飛べない鳥は一般に大型化しやすく、ダチョウ、エミュー、ヒクイドリ、ダチョウ科のレア、コウテイペンギンなどが非常に巨大です。

ダチョウ (世界最大の飛べない鳥)

飛べない鳥の中で最大なのはダチョウ (Struthio camelus) です。アフリカ大陸に分布し、オスは身長2.7m近くに成長し、体重は155kg以上に達する記録があります。
走行速度は時速約70kmにも達し、高速移動に適した筋骨隆々とした長い脚で知られます。さらに、直径5cmにもなる大きな眼球を持ち、これも陸上動物中最大級です。このように、強力な蹴撃力と巨体で武装したダチョウは、飛べない鳥の代表格と言えます。

ヒクイドリ・ダーウィンレア (オーストラリア・南米の巨鳥)

オーストラリア北部やニューギニア島に生息するヒクイドリ (Casuarius casuarius) は、飛べない大型鳥です。体長は約1.7m、体重は50~80kgに達する個体も存在します。特徴的な青い顔面と首についた皮、それに頭頂にある堅い突起(「兜」)が目立ちます。
南米に生息するダーウィンレア(林鳥)は、最大で体重60kg前後になる大型のレア科鳥類です。これらはいずれもダチョウに次いで大型の飛べない鳥で、広大な草原や湿地で生活しています。

エミュー・コウテイペンギン (オーストラリア・南極の代表種)

オーストラリア固有のエミュー (Dromaius novaehollandiae) は、ダチョウとヒクイドリに次いで大型の飛べない鳥です。平均体高は1.5m前後、体重は30~40kgで、大きなオスでは50kgを超える個体もいます。広大なオーストラリア大陸を歩き回り、強靱な脚力を持ちます。
また南極に生息するコウテイペンギン (Aptenodytes forsteri) も大型種に数えられます。身長約1.2m、体重約30~45kgで、南極の極寒環境を泳ぎ回るための力強い体躯を備えています。

飛べる鳥で最大の種

続いて、飛行能力を持つ鳥類で最大の種を探ります。飛べる鳥は飛行のために体重を抑えた細長い体型になっているため、本体重量は飛べない鳥ほど重くはありませんが、翼のサイズで世界記録を持つ種が存在します。

オオアホウドリ (Wandering Albatross) — 翼開長最大

現存の鳥で翼開長が最大なのはオオアホウドリ (Diomedea exulans) です。南極周辺の海域を回遊し、翼を広げると平均3.5m、最長で3.7m以上に達します。
体重は10~12kgほどで軽量ですが、この巨大な翼で海上を滑空し、長時間飛び続けることができます。

オオトウゾクカモメ (Great Bustard) — 飛行可能な最重量級

飛行できる鳥の中で最も重いのはオオトウゾクカモメ (Otis tarda) などのコウノトリ目大型鳥類です。ヨーロッパやアジアに分布し、オスの体重が20kgを超え、記録では24kgにも達した例があります。
体高は約1.2m程度ですが、これほどの体重を支えたまま飛び上がれるのはこの種の特長です。近縁種にはコーリバスタードやフランクリンバスタードなどが20kg台の体重を示します。

アンデスコンドル — 世界最大級のハゲワシ

南米アンデス山脈に生息するアンデスコンドル (Vultur gryphus) は、翼開長約3.3mの飛べる鳥として最大級です。体重は13~15kg前後で、大きな翼と強力なくちばしを持ちます。
山岳地帯の上昇気流を利用し、腐肉を求めて長距離を滑空する能力に優れています。

史上最大の鳥類

最後に、歴史上最大とされる絶滅鳥類を見てみましょう。化石記録からは、現存種をはるかに超える巨体の鳥が存在したことがわかっています。

象鳥 (エレファントバード) — マダガスカルに棲息した巨鳥

マダガスカルに棲息していた象鳥(エレファントバード)は、現生鳥類の中でも最大級の体躯でした。Vorombe titan や Aepyornis maximus などは身長約3.0m、推定体重は800kg以上に達しました。
あまりに巨大だったため翼は退化し飛ぶことはできず、その卵は直径約30cm、重量約10kgと、鶏卵の約100倍の大きさでした。

ダイアトリマ (モア) — ニュージーランドの飛べない絶滅鳥

ニュージーランド固有の飛べない巨鳥モアも世界最大級でした。特に Dinornis 属(ダイアトリマ)は成鳥の身長が3.6mを超えたと推定され、史上最も高い鳥とされています。
体重は象鳥ほどではなく、大きい個体で200~250kg程度でした。モアは人類到着まで生息し、生態系の最高位の存在でした。

アルゲンティビス (Argentavis) — 古代の巨大飛翔鳥

約600万年前の南米に棲んでいたアルゲンティビス (Argentavis magnificens) は、飛翔可能な鳥としては史上最大と考えられています。翼開長は6~7m、体重は60~80kgと推定されます。
現存するどの鳥よりも重く、広大な翼で空を滑空していたとされています。

ペラーゴルニス (Pelagornis) — 翼開長が最大の翼竜鳥

新第三紀前期(約2300万年前)に生息したペラーゴルニス・サンデルシー (Pelagornis sandersi) は、翼開長7.4mで鳥類の最大記録を持ちます。
推定体重は30~40kgで、魚を捕らえる鉤状の歯状突起を持つ巨大な翼で海上を飛び回っていたと考えられています。

鳥類最大:種別比較ランキング

ここまで紹介した大型鳥類を比較しやすいよう、代表的な種を体重・身長・翼開長で表にまとめました。次表から、各種の大きさの違いを確認できます。

鳥類 体重 (kg) 身長 (m) 翼開長 (m)
象鳥 (Vorombe titan)[絶滅] 860 3.0 — (飛行不可)
ダイアトリマ (Dinornis maximus)[絶滅] 230 3.6 — (飛行不可)
アルゲンティビス (Argentavis)[絶滅] 70 7.0
ペラーゴルニス (Pelagornis sandersi)[絶滅] 35 7.4
ダチョウ (Struthio camelus) 156 2.7 2.0
ヒクイドリ (Casuarius casuarius) 85 1.8 — (小さな翼)
エミュー (Dromaius novaehollandiae) 55 1.9 — (小さな翼)
コウテイペンギン (Aptenodytes forsteri) 45 1.2 — (ヒレ状の翼)
オオトウゾクカモメ (Otis tarda) 21 1.2 2.8
オオアホウドリ (Diomedea exulans) 12 3.5

以上の表から、絶滅種・現生種を問わず、驚くべき大きさを持つ鳥類がいることがわかります。象鳥やモアの巨躯、ペラーゴルニスの巨大な翼など、鳥類最大の記録は進化の多様性を物語っています。

まとめ

鳥類の「最大」は指標や時代によって異なります。本記事で示したように、現生種ではアフリカダチョウが体重・身長ともにトップクラスですが、翼開長では海鳥のアホウドリ類が際立ちます。過去には象鳥やアルゲンティビス、ペラーゴルニスといった絶滅巨鳥が信じられないほど巨大でした。大型鳥類の研究を通して、それぞれが体の仕組みや生態で極限に適応してきたことが見えてきます。例えば飛べない鳥は巨体を支えるために飛行能力を犠牲にし、飛べる鳥は飛行性能を高めるために軽量化を図っています。

最新の研究では、鳥類最大の記録も随時更新されています。例えば、2018年の研究では象鳥Vorombeの推定体重が860kgに上方修正されました。鳥類最大の探究は、鳥類の進化史を紐解く魅力あふれるテーマです。今後の発見にも注目したいところです。

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