身近な野鳥であるスズメは一年中日本に生息しますが、真夏の暑さの中ではどのように過ごしているのでしょうか。
近年は地球温暖化の影響で夏の猛暑日が増え、スズメも水浴びや砂浴びで体温を調整し、早朝や夕方に活動するなど工夫しています。
さらに夏の後半には、繁殖を終えた群れが農地や河川敷に移動し、都市部で見かける個体が減る傾向もあります。
本記事では2025年時点の最新情報や観察記録を踏まえ、スズメの夏の過ごし方を詳しく解説します。また記事では夏の行動パターンから食事、繁殖、熱中症対策まで幅広く紹介しています。
目次
スズメの夏の過ごし方
早朝と夕方の活動時間
スズメは夏でも日中の暑さを避けるため、早朝と夕方を中心に活発に行動します。
涼しい時間帯には昆虫や植物の種子を集め、チュンチュンと鳴きながら仲間とコミュニケーションを取ります。
暑い日中はあまり飛び回らず、休息していることが多くなります。
日中の休息:木陰と巣穴
夏の暑い日中には、スズメは木陰や茂み、建物の隙間などの涼しい場所で休息します。
直射日光の下を歩くのを避けてじっとしていることが多く、体温を下げるために羽を少し広げることもあります。
このように休息して体力を温存し、暑さから身を守っています。
夏と冬の姿の違い
スズメは季節によって見た目にも違いがあります。夏はスリムで羽毛は体に密着していますが、冬場は羽毛を膨らませて丸くなり、寒さから身を守ります。
以下の表に、夏と冬の違いをまとめました。
| 季節 | 特徴 |
| 夏 | 体がスリムで羽毛が体に沿う。暑さ時には羽を広げ放熱し、地面で休むこともある。 |
| 冬 | 羽毛を立てて厚くし、体は丸く膨らむ。暖かさを保つため活動は市街地や日当たりの良い場所に集中する。 |
スズメの暑さ対策
体温調節機能の特性
スズメを含む小鳥は汗をかくことができないため、体温上昇のコントロールが難しいです。
暑いときは口を開けて呼吸を速め(口呼吸やパンティング)たり、羽を盛んに動かしたりして放熱します。
羽毛を広げることで体表面積を増やし、熱を逃がすしくみもありますが、限度を超えると熱中症のリスクが高まります。
水浴びと砂浴びでクールダウン
スズメは水浴びや砂浴びで体温調節を行います。
暑い日は近くの水場で水浴びをして羽に水を含ませ、体を冷やします。
一方、砂浴びでは仰向けに砂や土の上で羽を広げ、体に付いた汚れやダニを落としながら涼を取ります。
特に砂浴びはダニなどの害虫駆除にも効果的で、夏季によく見られる行動です。
熱中症のリスクとサイン
スズメも高温下では熱中症の危険があります。
体温が著しく上がると動きが鈍くなり、呼吸が速くなって羽を広げるようになります。
そうした様子が見られたら早めの対応が必要です。
予防策としては、庭や公園に浅い水場を設置し、木陰など涼しい場所で休める環境を整えることが大切です。
暑さをしのぐ工夫
都市部でも人の配慮で暑さ対策が進んでいます。
住宅街では庭に水飲み場を置いたり、木陰の多い公園などで休息できるよう整備する動きがあります。
こうした環境づくりによって、暑さに弱い雛や体力の落ちた個体が安心して暮らせる工夫が広がっています。
スズメの夏の食事
昆虫を捕食する理由
夏は昆虫の活動が活発になるため、繁殖期のスズメは昆虫を多く食べます。
ヒナの成長に必要な高タンパク質を摂るためで、チョウチョや蛾の幼虫、バッタやカマキリなどを好んで捕食します。
特に子育て中は昆虫が主要なエサとなり、頻繁に虫を運んで雛に与えています。
植物の種子や果実
繁殖期以外では、スズメは主に植物の種子や穀物を食べます。
都市部では公園や畑の雑草の種子や、冬に拾える落ちモミ(もみ殻)などをついばみます。
夏にはイヌワラビなど夏に種子が弾ける草や、公園の柿や家庭に落ちた果物をついばむ様子も観察されます。
人家周辺の給餌と注意点
人家の近くでは人の残飯や餌付けによる食事もあります。
パンくずや野鳥用に用意された雑穀、小さな果物などを食べることがありますが、塩分や調味料が多い食品は健康に悪影響です。
餌を与える場合は、雑穀や小鳥用のペレットなど、適切なエサを選ぶ配慮が求められます。
スズメの夏の繁殖と子育て
夏まで続く繁殖周期
スズメの繁殖期は3月から8月頃まで続き、年に2~3回の繁殖をすることが多いです。
夏の終わりまでに複数回子育てが行われるため、夏の公園では成長したヒナや若鳥の群れに出会うことがあります。
1回の繁殖で産む卵の数は3~7個程度で、雛の数を増やして生存率を高めています。
巣作りの場所と方法
スズメは建物のすき間、屋根の軒先、立体駐車場の隙間、ブロック塀の穴などに巣を作ります。
枯れ草や羽毛、毛糸などを巣材にし、暖かく安全な巣を構築してヒナを育てます。
時には津波などで使われなくなった人工物を利用することもあり、庭やベランダにある巣箱を活用する例もあります。
ヒナへの給餌と巣立ち
孵化したヒナは生まれてしばらくすると嘴の根元が黄色くなり、親を呼ぶ声で存在を知らせます。
親鳥は昆虫を中心に頻繁に餌を運び、成長途中の雛に与えます。生後約2週間でヒナは巣立ちし、しばらくの間は親から給餌を受けながら群れで行動します。
巣立ったばかりのヒナは飛び方が未熟ですが、数日で自立して飛び回るようになります。
まとめ
夏のスズメは暑さ対策として水浴びや砂浴びで体温を下げ、早朝や夕方に活発にエサを探します。冬と比べると体型はスリムで、暑い日は木陰で休むことが多くなります。また繁殖期には昆虫を多く食べて雛を育て、巣立ち後は群れで農地などに分散します。
このように、スズメの夏の生態は多彩です。身近な環境でスズメの様子に目を向け、自然観察を楽しみましょう。