日光野鳥研究会

第168回 観察会 報告

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日時:

2016年7月10日(日)8:30〜16:00

場所:

金精峠(群馬県片品村)

参加者:

11名

【金精峠】

確認できた鳥: ルリビタキ・キクイタダキ・ヒガラミソサザイ・コマドリ・ホシガラス・カケス・ウグイス・ハシブトガラス 9種
声を聞けた鳥: メボゾムシクイ・オオルリ・キビタキ・ウソ・ホトトギス・クロジ・キバシリ・イカル 8種
確認できた花(草本) サンリンソウ・ズダヤクシュ・ヤマクワガタ・シロバナノヘビイチゴ・ゴゼンタチバナ・ギンリョウソウ・エゾノヨツバムグラ・タニギキョウ・オククルマムグラ・オオヤマフスマ・ベニバナイチヤクソウ・オトギリソウの仲間・コバノイチヤクソウ(蕾)・カニコウモリ(蕾)・タケシマラン(実)・ハルカラマツ(実)
確認できた花(木本): ツルアジサイ・ツルツゲ・ハクサンシャクナゲ・オガラバナ・ヒロハツリバナ(実)
昆虫、その他: モンキチョウ・ギンボシヒョウモン・ヤマキマダラヒカゲ・アキアカネ・亜高山性のトンボ・エゾハルゼミ(声)・サルオガセ(地衣類)・謎の卵と巣・分解水を生じるサルノコシカケの仲間

参考:7/10のアメダス(奥日光)のデータ

−写真をクリックすると別ウィンドーに写真が拡大されます−

7月10日(日)

 日光では前日までずっとぐずついた天候が続いていたが、皆のおこないが良いためか観察会当日はまさに梅雨の晴れ間となった。
今回の参加者は11名とやや少なめ。8:30に木彫りの里に集合し3台の車に分乗して菅沼駐車場へ。絶好の登山日和とあって日光白根山登山口の駐車場は路肩にも車があふれて大賑わい。その混雑ぶりを横目で見ながら私たちは茶屋の駐車場に悠々と車を止める。

 10:05にスタート。ホシガラスが鳴いている。姿を確認した人もいた。コマドリの声はいつもは入り口付近で聞こえるのだが、今回少し奥に移ったかんじだ。昨年より一変しガレ場となった登山道にさしかかる。道はある程度踏み固められていて昨年よりは歩き易くなっていた。この辺りでコマドリをはじめルリビタキ、キクイタダキ、メボソムシクイなど声のシャワーに包まれた。

 ガレ場にて昼食(11:40〜)。13時までここで自由時間とし、峠に向かうグループとここに留まってコマドリを待つグループに分かれた。峠に向かったのは植物に詳しい若手メンバー。鋭い観察眼により次々と植物を見つけ出してゆく。

 しかし丁寧な観察ですっかり時間を費やしてしまい、ガレ場に戻ったのは約束の13時をとっくに過ぎてしまった。さぞや文句を言われるだろうと思いきや大発見があったのでまずはそれを見よとのこと。
 行ってみるとコメツガの大木の根元に卵が!卵は枝で作られた産座に7,8個あり割れて殻だけだった。いったい何の卵なのか。あれこれ推測しながら駐車場に14:15に戻る。
 茶屋で休憩後、駐車場にて鳥合わせ。15時に駐車場を出て木彫りへ戻った。

 その後「謎の卵」で大いに盛り上がったことは皆さんご承知の通り。観察会に参加できなかった皆さんも巻き込んでさまざまな推測が議論された。まさに日光野鳥研の醍醐味!

「謎の卵」

コメツガなどが生える尾根形状の緩斜面にある直径50cmほどのコメツガの根元にあった。
卵の卵膜に付着していた羽根に、「後羽」と呼ばれる分枝した綿状の羽が確認された。
これはキジの仲間に見られる特徴で、ヤマドリの卵である可能性が指摘された。
ヤマドリの生息域は一般的には標高1500m以下とされるが、環境省のHPの参考資料や、「日光野鳥図鑑」の第16回「ヤマドリ」にある、狩猟鳥に詳しい会長当会会長の証言からも、標高500mくらいから2000mまでとかなり広範囲に生息していると考えられ、この卵はヤマドリのものではないかと考えられる。

金精峠の生物

ルリビタキ

ミソサザイ

ヒガラ


ギンボシヒョウモン


ギンリョウソウ


【担当: AY】
【写真: IT、YH、YR、AM、AY】


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