薄日もさして梅雨時にしてはまずまずの天気のなか阿世潟へ向かう。駐車場付近でキセキレイや、繁殖期を迎えてオレンジ色の筋が入り始めたウグイを観察する。駐車場を出たもののペースが極端に遅く、今回も阿世潟は幻となりそうな雰囲気。
足元のクルマムグラやヤマハタザオを観察しつつイタリア大使館を過ぎる。男体山を望む岸辺を歩くようになり、カジカガエルの澄んだ声が染み入ってくる。双眼鏡で見ると水際に点在する石の上に一定の間隔を保って何匹か座っているのが見えた。
中禅寺湖沿いに進む。緑の木立の中からはキビタキの声が聞こえてくるものの葉が茂っていて見つからない。皆で声を頼りに探し、ようやく双眼鏡に捉える。足元ではギンリョウソウがあちらこちから顔をのぞかせている。ギンリョウソウは菌類と共生する腐生植物で、葉緑素を持たないため、その色と形から銀の竜に模して名付けられた。
岸辺近く波間に漂うオシドリを発見するも心なしか銀杏羽がしなだれた感じだ。メスが一緒なのでまだ繁殖中なのか。八丁出島を過ぎたところで昼近くになり、天候も気になったので砂浜で昼食にする。結局今回も阿世潟はやはり幻となった。
帰り道は相変わらずさえずっているキビタキ、ゴジュウカラなど見ながら戻る。途中、一頭のシカの耳にマダニが取り付いているのをスコープで見て盛り上がる。おそらく通り過ぎる観光客はシカを見て喜んでいると思ったことだろう。駐車場に戻り鳥合わせをして閉会する。新緑が残るなか、キビタキ、オシドリをじっくり観察できた観察会でした。
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