12月の戦場ヶ原、前日までの降雪が降り積もったなか赤沼を出発する。湯川に合流する前の林でいつもどおりカラ類が迎えてくれる。湯川沿いの木道を歩き出すが鳥の数は少ない。いつも見かけるマガモの代わりにオオバンが1羽だけ水面に漂っている。
天候は青空が覗いているものの、何故か我々の上には灰色の雲が太陽を遮ったまま居座っている。気温も低く、吹き付ける風が体温を奪ってゆく。成果も期待できそうに無いので、風を避けるため、引き返して林間の道を小田代方面へと向かう。
しばらくするとカラの混群と遭遇、次から次へとやって来て飽きることがない。雌雄のアカゲラも近くにやって来る。すぐに飛び去ってしまうことが多いアカゲラだが、今回は近場で餌を探していたためじっくりと観察できた。
分岐を石楠花橋へ向かう。ここでも混群とアカゲラに出合う。石楠花橋で昼食を取ってから湯川沿いの道を赤沼へと戻る。流れの中で餌を探すカワガラスを観察していると微かに囀り始めた。カワガラスはさえずり始めるのが早い。静まり返った冬の森の中で、そこだけ春が来たようだ。
赤沼入口の東屋で鳥合わせをして今年最後の観察会を締めくくる。かなり寒かったが、静かな森のなかで賑やかなカラの混群やアカゲラに出会えて冬の戦場ヶ原を楽しめた。
|