日光野鳥研究

龍ヶ崎バードウォッチングクラブ交流観察会 報告

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日時:

2009年7月5日(日) 9:00〜15:00

場所:

龍ヶ崎周辺

参加者:

日光野鳥研9名、龍ヶ崎バードウォッチングクラブ23名、他5名 計37名

【光徳周辺】

確認できた鳥: ツバメ、ヒバリ、ハシボソガラス、ムクドリ、カルガモ、オオヨシキリ、キジ、スズメ、セッカ、 ウグイス、バン、キジバト、コジュリンコチドリ、チョウゲンボウ、ホトトギス、カッコウ、ハクセキレイ、コサギ、チュウサギ、ダイサギ、アマサギ、アオサギ、ゴイサギヨシゴイ
確認できた両生類: ニホンアマガエル、ウシガエル、アメリカザリガニ、ドジョウ

この色の種名をクリックすると写真がご覧いただけます

参考:7/5の日光市内の気温と湿度のグラフ
(グラフは日光市内のもので観察地の気温・湿度とは大きく違います)

参考:7/5のアメダス(龍ヶ崎)のデータ(gif画像)


−写真をクリックすると別ウィンドーに写真が拡大されます−

7月5日(日)

 4年ぶり、4回目となりました龍ヶ崎バードウォッチングクラブ(RBWC)との合同観察会。「鳥見て、うな丼食べて元気になろうの巻」のコピーに誘われて、はじめて参加させていただきました。
 今回はRBWCのご招待で、ご案内状のタイトル通り、牛久沼周辺でサギ類の観察の後、お昼にうな丼発祥の地で本場のうな丼を食べるという、たいへん魅力的な観察会です。

 朝6時、妻と2人で日光を出発。宇都宮、真岡、二の宮を経由して目的地に向かいます。日曜日の朝ということで混雑もなく、下館に入ったのはまだ7時でした。これは早く着きすぎるな、と思ったのもつかの間でした。地図を見ながら(カーナビを持っていませんので)、牛久沼の北側から沼沿いに行くのが最短と考えて走っていたのですが、つくばみらい市あたりで道に迷ってしまいました。つくばエクスプレス線沿いに最近開発された街周辺には、持っていた古い地図にはない道路がたくさん出来て、様子がずいぶんと変わっているようです。街の中、同じ所をぐるぐるまわっていたようです。
 「急がばまわれ」の教えに従って、来た道をわかる所まで戻り、県道19号から国道6号に出て、何とか集合場所の牛久沼水沼公園に到着しました。集合の9時を5分程過ぎてしまいました。程なくして、やはり道に迷っていたOさんも着きました。
皆さま方には、たいへんご迷惑をお掛け致しました。

 日光を出る時は晴れていたのですが、宇都宮に入る前から厚い雲が空を覆いはじめ、牛久沼周辺も曇天でした。幸い、炎天下での観察は避けることが出来ました。それでも、日光から来るとムッとする暑さです。
 今回のご担当のお一人である岸久司さんのご説明、RBWC会長の海老原龍夫さんのご挨拶、日光野鳥研究会を代表して松田さんのご挨拶等の後、参加者全員で記念撮影となりました。


 RBWCの参加者28名(うち会員23名)と日光野鳥研の9名が、車9台にそれぞれ分乗して(バイクの方も一人いらっしゃいました)、大列で出発しました。今回はRBWCの方々の車に日光野鳥研の参加者が乗せていただき説明を受けるという、至れり尽くせりのご案内をしていただきました。
 私は、今回のもう一人のご担当者でもある渡辺さんの車に、バードカービング講座の講師として日光にお出でいただいたこともあるAさん(龍ヶ崎と日光、両方の会員)、そしてYさんと共に乗せていただきました。

 最初の観察ポイントは取手市萱場(かやば)という所で、一面青々とした水田地帯です。
 里の水田地帯独特の香りが、なんだか久しぶりでとてもなつかしく感じました。
 車に乗ったまま、畦道からの観察となります。すでにかなり生長した稲の間に、首から上だけしか見えないサギ類がたくさんいます。岸さんから最初にいただいた鷺達の「顔図鑑」というプリントが、この時はじめて重要であることがわかりました。足や体はまったく見えないので、顔で判断しなくては種類がわからないということです。
 日光にもサギ類が全くいないというわけではないのですが、やはり見る機会はあまりありません。さすがにアオサギはすぐわかるのですが、白いサギとなるとじっくり観察して、図鑑と見比べながら、「あれは、ダイサギに違いない!」というレベルです。
 そのような訳で、渡辺さんらから教えを受け、「顔図鑑」で確認しながら、ダイサギとチュウサギを十分観察させていただきました。車の中から田んぼの脇をのぞき込むと、いたるところにアメリカザリガニやドジョウなどの姿が見られました。このような田んぼに棲む豊富な小動物が、サギ達の重要なエサとなっているのでしょう。
 松田さんは、栃木の田んぼはサギが少ないとおっしゃっていますが、あまりピンときませんでした。でも、ここの光景を見て納得することができました。

 次のポイントは、RBWCのシンボルマークにもなっているコジュリンが観察できる所とのことです。詳しい場所は、地図が頭に入っていないのでまったくわかりません。ここでは車を降りて、ちょっとだけじっくりと観察です。
 コジュリンの他、オオヨシキリ、アマサギ、セッカ、ゴイサギの幼鳥(ホシゴイというそうです)、ムクドリ、そしてはるか上空を飛ぶチョウゲンボウ(とても私にはわかりませんでしたが)などを観察できました。

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 時刻はすでに11時。つくばみらい市の休耕田に出来た小さなヨシ原に移動です。ヨシゴイが見られるポイントのようです。ここでも車を降りて、30分程の観察となりました。
 時折、ヨシ原を出入りするヨシゴイが見られるのですが、一瞬のことです。ヨシ原に入ってしまうと、もう姿は見ることが出来ません。どなたかが、ヨシの下にオオヨシキリの巣を見つけ、2羽の雛を確認することできました。
 ヨシゴイは次の場所でじっくり観察できますとのことで、再び車で移動です。
 途中、コサギが多くいるというポイントを通りましたが、今日はあまりいないようなので、すぐ移動となりました。

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 うな丼が頭にちらつくような時刻になりましたが、お次は取手市(旧藤代町)、JR常磐線藤代駅近くの住宅地の端です。住宅地の雨水処理のための小さな調整池なのですが、ヨシ原となっています。ふつう、このような調整池は草もきっちりと刈られて味気ないものですが、何故か自然?の状態です。生き物のために、意図的にこのようにしているのでしょうか? 四方は金網で覆われているので、網越しに観察することになります。
 後で、ここでの観察風景の写真を見たところ、ちょっとおもしろい感じです。住宅地の金網越しに、池をのぞき込むたくさんの人々。知らない人が見ると、「何事か?」と思うかもしれません。
 ここでは、少なくても2羽のヨシゴイを確認できました(実際は4羽いたようです)。ヨシの先端近くにうまくとまり、首と嘴を上方に伸ばしてじっとしています。警戒しているのか、あるいは擬態のようにも見えます。この池のすぐ近くにお住まいの会員の方がいらっしゃって、家からも観察できますとのことでした。
ヨシゴイは、繁殖期の夜間に鳴くそうです。その声を是非、一度聴いてみたいものです。
 セッカの鳴き声を松田さんに教えていただき、はじめて聴くことができました。

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 さて、観察はここで終了となりました。朝集合した、牛久沼畔の駐車場に戻ります。ここから歩いてすぐのところにある老舗のうなぎ料理屋「伊勢屋」さんで、お楽しみの昼食会となりました。

 ウナギはシラスウナギの減少による養殖用種苗の高騰、そして、昨今の産地偽装問題などもあってでしょうか、スーパーマーケットなどで売っている国産の蒲焼ですら高くてなかなか食べる機会もありません。朝、早出したこともあって、久々に食べるうな丼は、「アッ」という間でした。

 海老原会長からはご挨拶と、以下の通り、本日のサギ類のカウント結果が報告されました。 

コサギ
 7羽
チュウサギ
61羽
ダイサギ
18羽
アマサギ
10羽
アオサギ
11羽
ゴイサギ
 4羽
ヨシゴイ
 2羽 + 4羽(調整池)

 チュウサギは全国的にも希少種で、環境省のレッドデータブックでは準絶滅危惧種に登録されているようです。でも、牛久周辺では、この通りの結果です。

 岸さんからは、今度はシギ類の顔写真のプリントをいただき、よく似ているシギ類の判別方法を詳しくご説明いただきました。日光のシギといえば、夏は戦場ヶ原のオオジシギ、冬は湯川周辺などのアオシギ位の知識しかないもので、顔写真を並べられても私にはまったくお手上げです。嘴の長さ、眼の位置、頭の形態、等々が判別には重要とのことです。たいへん、勉強になりました。   
 また、渡辺さんからは、この周辺で撮影された貴重な鳥たちの写真をたくさん見せていただきました。

 さらに海老原会長からは、うな丼発祥の地が牛久沼であることの由来についてのお話がありました。海老原さんはこのお話がお得意のようで、龍ヶ崎の会員の皆さまからさんざん促されての登場です。
 それによりますと、『その昔、常陸太田出身で江戸で財をなした人物が江戸からの帰路、牛久沼にあった渡し船に乗る前にうなぎの蒲焼と飯を食べようと注文したが、船の出発に間に合わなかった。仕方なく丼飯の上に蒲焼をのせて蓋をして船に持ち込み、後でこの丼を食べたところ、蒲焼がご飯で蒸されてちょうど良い具合になり、たいへんうまかった。』というのがはじまりであるそうです。当時は、蒲焼と飯は別々に食べるのがふつうだったそうです。
うな丼発祥の地が牛久沼というのは、全く知りませんでした。
 ちなみにウナギ養殖発祥の地は、意外なことに、私の生まれ故郷でもある東京の深川(現在の江東区千田付近)で、明治のはじめに行なわれたそうです。

 日光野鳥研からは、会長代理としてBさんと、顧問の松田さんにご挨拶をしていただきました。
 Bさんはチュウサギの多さに驚いたこと、松田さんからは日光のメンバーにとっては1年分のサギを見ることができたのではないか、等々のお話をしていただきました。
 またの再会をお約束して、午後1時40分にお開きとなりました。

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 海老原会長、ご担当の岸さん、渡辺さん、そして龍ヶ崎バードウォッチングクラブの皆さま方にはたいへんお世話になりました。特に今回のご担当のお二人は、大人数の参加者をとりまとめての移動、観察の繰り返しでご苦労も多かったことと思います。
 知らない土地で、次々と貴重な鳥見ポイントにご案内いただき、おかげ様で日頃馴染みの少ない鳥たちを十分観察して楽しむことができました。
 この場をお借りして、龍ヶ崎バードウォッチングクラブの皆さま方に深く御礼申し上げます。

龍ヶ崎バードウォッチングクラブhttp://rbwc.jp/

・2009年探鳥会&行事報告(http://rbwc.jp/2009nenn/reikai09/09nen-reikai.html

【報告: AM】
【写真: 龍ヶ崎バードウォッチングクラブ、MI、AM、TK、YR、MM】


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