日光野鳥研究会

第92回 観察会 報告

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日時:

2008年11月16日(日)9:00〜14:00

場所:

奥日光(戦場ヶ原・菖蒲ヶ浜)

参加者:

10名

【戦場ヶ原】

確認できた鳥: アトリ・ヒガラ・コガラ・ゴジュウカラ・コゲラ・ミソサザイ・カワガラス・ツグミ・ハクセキレイ・マガモ・カワウ・ノスリ・ハシブトガラス
声を聞いた鳥: キバシリ
観察できた木の実: ズミカンボクケヤマウコギ・ヒロハヘビノボラズ?

【菖蒲ヶ浜】

確認できた鳥: オオワシ・ヒガラ・エナガ・ヤマガラ・マガモ・オオバン・カワウ・トビ・ハシブトガラス

この色の種名をクリックすると写真がご覧いただけます

参考:11/16の日光市内の気温と湿度のグラフ
(グラフは日光市内のもので観察地の気温・湿度とは大きく違います)

参考:11/16のアメダス(奥日光)のデータ(PDFファイル)


−写真をクリックすると別ウィンドーに写真が拡大されます−

11月16日(日)

 いつもの木彫りの里駐車場集合の他、今回は赤沼駐車場への現地集合も可ということでしたので、取手からの3名は直接現地に向かいました。取手では昨夜来の雨は上がっていましたが、宇都宮辺りで雨が降り出してしまいました。下界は雨でも、イロハ坂終点のトンネルを抜けるとそこは晴天の奥日光だったという経験が何度かありましたが、期待は適わずやはり雨。赤沼駐車場に9時頃到着した時は雨はかなり強くなっていました。ところが、木彫りの里駐車場集合組が9時半頃到着すると、不思議にも雨はぽつぽつ程度の小降りとなり、担当Yさんから天気の様子を見ながら戦場ヶ原の木道を行ける所まで行って引き返しましょうということで観察会は決行、いざ午前9時30分出発となりました。

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 戦場ヶ原入り口で、早速十数羽のアトリとツグミがカラマツの高い梢を行き来し、入り口を入ったところで、コガラ、そしてゴジュウカラが木の幹を逆さになったりしながら忙しく動き回るのを観察堪能しました。
記念写真撮影用?のちょっとした広場でズミの実が豊かに実っており、日光野鳥研の恒例に倣って私も食してみました。甘酸っぱく渋い、味も濃いように思えこれが主食なら堪らない、人間で良かった。

 湯川の岸辺にはカンボクが赤くきれいな実を鈴生りに付けていますが、こちらは鳥にとっても不味いそうで、鳥も食わないことから、「トリクワズ」と呼ぶ所もあるようです。それでも最後の最後にはこの不味い実も鳥の餌となるそうで、鳥が保存食としているのか、餌がないので仕方なく食べるのか、興味がわきます。

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 さて、鳥の方です。湯川にマガモの群がおり、そこにミソサザイが飛来して、改めてその大きさの違いを実感し、更に歩を進めるとカワウ1羽が上空を飛んで行きました。

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 湯滝が遠望できる地点辺りで、戦場ヶ原奥の木の上に止まっているノスリを別々同時に3羽と、トビの飛翔を観察したところで、雨足が多少強くなり気温も下がったので午前11時20分引き返すことになりました。

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 帰り道、カワガラスがビッビッと鳴きながら湯川下流に向かって水面近くを飛んでいき、ハクセキレイ、コゲラ、ゴジュウカラを観察した後、木道終点近くでツグミの群が飛び交うのを見ました。それにしても今日はツグミが多い。

 午後12時過ぎに中禅寺湖畔の金谷ホテル前のボートハウスまで戻り、そこで昼食。ボートハウスのテラスでトビ、カワウを食前酒代りに見て、キャンプ用コンロで作った暖かい味噌汁を戴く。寒くなったので有難い、感謝です。

 昼食後、菖蒲ヶ浜に向かう。到着後、定点木を見ますが期待のオオワシは居ません。午前7時前でないと居ないとか悲観的な話が出始めたとき、先着していたバードウオッチャーとおぼしき人が来て、”居ますよ”の一言、スコープに入れて”はい、どうぞ”。確かに居ました。何と定点木直ぐ下の枯れ木立の中、見つけ難かったのは確かですが、良く見れば灰色の木立の中、黄色が目に入ります。
黄色の大きな嘴、黒い身体に肩の白、それにしてもでっかい、堂々たるもんです。観光に来ていたと思われる若い二人連れ、二組もスコープを覗かせてもらって感嘆の声をあげていました。
 しばしオオワシの立ち姿を余裕をもって堪能したところ、ハシブトガラスが飛んで来てオオワシにチョッカイを始め、オオワシは左手方向に飛び去りました。ハシブトガラスがオオワシを追い出したので余計なことをと思いましたが、そのお陰で飛ぶ姿も見ることができました。ハシブトガラス功罪相半ばすといったところですかな。
 これが本日の収めの大トリ→大鳥→大鷲→オオワシで期待どおりの出現、小雨に濡れ続けても我慢してきた甲斐がありました。
他に、ヤマガラ、エナガ、オオバンを観察したところで、鳥合わせとなり、現地解散となりました。

日光有料道路では紅葉が見事に色づき、中禅寺湖畔では未だ紅葉が残っているという感じですが、戦場ヶ原では木々の葉は落ち、観光客も少なく大変静かな落ち着いた雰囲気に満ちていました。
生憎の天候でしたが、静寂な環境での観察会を楽しめました。特にオオワシは圧巻でした。

【報告: NS】
【写真: TK、YR】


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