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6月17日(日)
6月中旬、毎年この季節の観察会は天候に苦労するが、今回はまったくその心配がない。しかもカラッと清清しい梅雨明けしたような天気におのずと気分も軽くなる。今回は中禅寺金谷ホテル裏の森を散策する。中禅寺湖から男体山に向かって広がっていく斜面は、いきなり登りにならずに湖岸の辺りはなだらかに広がっている。そこを歩こうというわけだ。
金谷ボートハウス前の駐車場に車を止めて歩き始める。
ホテルへのエントランスへ向かう途中でキビタキの声がするが、葉を茂らせた木々に姿が見つけられない。ホテルの駐車場から裏へと登る道に入る。上空を見上げると太陽を中心に大きな虹の輪ができている。「日がさ」という現象で、低気圧の前面の高い空にできる巻層雲と呼ばれる雲に太陽の光が屈折、反射してできるらしい。昔から天気が悪くなる兆候と言われている。
ホテルの山側は水の流れがあって鳥たちの憩いの場となっているらしく、鳥の影が木々の間をしきりによぎる。イカルが、水浴びで濡れた羽を繕ったりしている。
足元ではイケマという植物の葉の裏に産み付けられたゴマ粒のようなアサギマダラの卵をIさんが見つける。よく見つけるものだと皆感心しきり。ひとつ見つかると片っ端から葉っぱをめくりたくなる。
やがて道を外れて林の奥へと分け入ってゆく。とは言っても道なき道を行くと言うわけではない。この辺りは以前はスズタケと言う笹が一面に生えていて、とても立ち入ることができる場所ではなかった。それがシカが好んで?スズタケを食べまくって、とうとう食べ尽くしてしまい、そのために地面がむき出しになってしまった。おかげで?自由に歩き回れるものの、喜んでもいられない。このままだと土が流されて森林の崩壊が進むのでないかと心配される。
一行は男体山に向かって緩やかに斜面を登ってゆく。二抱え程もあるブナやミズナラの木が点在していて、折れた枝がゆく手をふさいでいるようなところも多い。
やがて砂防ダムの堰堤にたどり着く。男体山頂の一角も眺められて滴るような緑が気持ちよい。高所愛好家は堰堤の上、恐怖症組は林の中でそれぞれ休憩。
先に到着していたIさんはキツネに遭遇、見事カメラに収める。ヤマツツジのつややかな株が対岸に1株あってミヤマカラスアゲハがしきりに訪れている。どこかで鳴いているホオジロの姿を追うがなかなか見つからない。
昼には少し早いので先へ足を延ばすことにする。
辺りは枝振りのよいシロヤシオの木が点々としていて、花の盛りは見事だろうと思う。AMさんが咲き始めのギンリョウソウを見つけ匂いをかいでいる。咲き始めは香りがするというので、鼻を近づけてみると仄かによい香りがした。
次第に傾斜が増してきたので引き返すことにし、先ほどの堰堤で昼食をとってから下山する。
戻る途中も、縦長に大きく穴を開けられて木屑が散らかされた枯れ木を見つける。オオアカゲラが虫を探したあとらしい。手が入りそうな穴がいくつも地面に開けられ、辺りにゴミが集められたかのように散らばっている場所があり、動物の巣穴ではないかと疑われる。キツネが目撃されているのでキツネかも?。
結構いろいろ楽しめるのだが草花がないのが寂しい。クワガタソウのピンク色の花にほっとさせられる。
出発点の水場に戻ってくるとやはり鳥が多い。オオルリがのどかな声で囀っている。
キビタキは相変わらず鳴いていて探すがなかなか見つからない。見つけても場所を教えるのがまた難しい。ボートハウスに立ち寄って中禅寺湖を渡る風に吹かれる。
ニュウナイスズメが最後をしめくくってくれた。
【報告: YR】
【写真: YR、IT、MK】
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