日光野鳥研究会

第73回 観察会 報告

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日時:

2007年2月18日 8:30〜15:30

場所:

奥日光・湯川周辺(湯滝から泉門池往復)

参加者:

14名

【奥日光・湯川周辺】

確認できた鳥: カワガラス、アオシギ、ゴジュウカラ、コガラ、キバシリ、ミソサザイ、マガモ、コガモ、ヒドリガモ、ハシブトガラス、ノスリ
(三本松駐車場):エナガ
(菖蒲ヶ浜):オジロワシ、オオバン、キンクロハジロ、カワアイサ、カワウ、ホシハジロ、ハクセキレイ、セグロセキレイ
観察できた昆虫: ユスリカの仲間(成虫)

この色の種名をクリックすると写真がご覧いただけます

参考:2/18の日光市内の気温と湿度のグラフ

(グラフは日光市内のもので観察地の気温・湿度とは大きく違います)


−写真をクリックすると別ウィンドーに写真が拡大されます−

2月18日(日)

 

 2月17日(土)、18日(日)の天気が、1週間前から、気になっていました。
低気圧が、関東を通り過ぎるのが、どうもその日あたりという予報だったからです。
17日の晩は、日光市内泊したのですが、夜、屋根をたたく激しい雨の音に、翌日の天気を気にしつつ、休みました。

 翌朝、雨が残るなか木彫センターに8:30に集合し、戦場ヶ原三本松へ向かいました。
いろは坂は、上る車も我々以外にはなく、トンネルを越えると、雪の中でした。

 三本松でスノーシューを借り、湯滝へ移動していよいよ歩き始めです。

 10:15頃出発。気温は0度。やや湿った雪が降り続いています。
コースは、湯滝の滝壺前の橋から湯川の西側を川沿いに泉門池へ向かうものです。

 前の晩積もった雪の中に、ゆっくりと足を進めます。誰も踏んでいない雪の上を進むのは気分よし。でも、足が沈み込みすぎて、疲れそうなので、前の人の足跡をたどることにしました。
なるべく川から離れないように進むと、カワガラスが現れました。それぞれのパートナーを求めてさえずるのか、雪の中に声が響き、暗い川面に彼らの目の瞬膜が白く光るのが、印象的でした。

 川の中から、飛び立つ太めの鴫が見え、「アオシギ!」の声。この個体は、飛び立つと、森の中に消えていきましたが、しばらく川伝いにいくと、今度は、川の中州の雪にはまりこむようにしているアオシギが見られました。雪の白と暗い川の狭間で、シギはじっと動きません。茶、朱、白、黒を使った頭から尾にかけての色彩は、複雑を極めたつづれ織り。その上に青みを帯びた灰色でひと刷毛はいて仕上げた体色が何ともいえません。

 黒い目はこちらを警戒するでもない。そして灰色を帯びた桃色の長いくちばしを水に差し込んでじっとしていました。
今日のお目当てが見られてよかった!足取りも軽く雪の中を進みました。

 川ではほかに、マガモ、コガモなどが浅瀬でたたずむ姿が見られ、カワガラスが鳴き交わしながら、しょっちゅう川面を往復していきました。

 天候は、昼近くには大分回復し、泉門池には12:00着。
池にある木のテーブルと腰掛けに積もった雪をストックや、スノーシューで払い落としての食事になりました。ほぼ、雪もやみ、気温4度。それでもテーブルの上に広げたサンドウィッチに雨水がかからないように、ふたをかぶせたり、カップのスープに水が入るのを気にしながらの昼食でした。テーブルを囲んだ人の分だけ、お菓子が回ったりして、楽しいお昼になりました。

 12:40同じコースを湯滝に戻ることになり出発。雪の白さとカラマツなどの樹皮の茶色が美しい森の中を歩きました。
「キバシリの声!」ということで、その方向を探すと、茶色い背中と、白い腹の小さな鳥が、まっすぐに伸びた幹の上を高く上っていくのが見えました。

 樹幹部上空にノスリの飛ぶ姿がみられ、青空が広がる14:00頃、湯滝に帰着しました。

 三本松でスノーシューを返した後、中禅寺湖に来ているというオジロワシを求めて、菖蒲浜に向かいました。車の中から湖岸の木に何かとまっていないか探しながらいくと、菖蒲浜背後の山稜線上の樹幹部に茶色い、大きなものが見えました。先に浜に着いた方々が、すでに望遠鏡にオジロワシをとらえてくれていました。正面から順光を浴びて、こちらを見下ろすようなその姿は、威厳に満ちた彫刻のようで、私など、思わず柏手を打つ始末。
 しばらくその姿を楽しませてくれた後、風をとらえたのか、大きな、四角い羽を広げて、飛び立ちました。そのくさび形の白い尾羽が、逆光で透けて見え、見るもののため息を誘うほど美しい光景でした。湖面には、ほかにキンクロハジロ、オオバン、カワアイサなどが見られ、観察会は終了。

 木彫センターで鳥あわせの後解散しました。

【報告: TY】
【写真: TK、YH、IT】


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