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4月23日(日)
今回の今市ダムは、会長の紹介による新たな場所であり、東京電力(株)の揚水式発電所のダムである。揚水式発電所とは、上池、下池と貯水池を設け夜間電力で下池の水を上池へ揚げ、昼間落水し発電する方式である。今回訪れたのはこの下池で砥川の渓流沿いにある。
いつもの通り、木彫りの里に集合して,3台の車に分乗し、目的地を目指した。ダムの高い堰堤を通り、貯水池沿いの林道を行き、途中の広い場所に車を駐車する。心配された天気も薄曇りで歩き始めると暖かくなってくる気候だった。ダムにはやや濃い目のコバルトブルーの水面が眼下に広がり、斜面には、点々と今盛りにアカヤシオ、ヤマザクラが咲いていた。遠くで鳥の囀りが聞こえるが姿を見るまでには至らない。はるか遠くでオオルリの囀りも聞こえてきた。
稜線付近に、ヒヨドリが群れていた。上流に行くに従い、道は悪くなり、途中土砂崩れが2箇所あり、完全に道を塞いでいた。はるか下の谷間は、いつか渓流となり綺麗な水が流れてその水面にキセキレイが飛び交わっていた。
鳥が出てこない、高い梢に、センダイムシクイが、場所の発見に手間取る。林道脇の斜面にキケマンが、林道には、茎の矮小化した西洋タンポポが咲いていた。
林道終点には、コンクリート製の急な階段があり、そこを登りきり、少し下ると沢近くの歩道へ出た。歩道の終点には、小庭がありそこには一面に、キクザキイチゲの群落、フタバアオイ、ナツトウダイ、ヒゲネワチガイソウ、フジスミレなど咲いていた。
小休憩後、引き返し林道終点の広場で昼食を取った。ここから今回の楽しみが始まった。南側の遠い稜線にオオルリらしきものが、さえずっていた。
その稜線から羽ばたきながら上空を旋回するオオタカが出現、昼食を忘れてみとれる。 昼食後もと来た道を戻る、キケマンがすがすがしく咲いていた。
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キケマン |
林道を戻り、ダムの水面にオシドリのつがいを発見、距離が十分あるためスコープでの観察となった。コバルトブルーにオシドリの毛並みが映える、そのうちオスのオシドリが魚を咥えていた。ワカサギのように見えた。オシドリは雑食だそうだ。
ぞろぞろと戻るとオオルリの囀りが聞こえてきた、なかなかオオルリの居場所がわからない。 みんなで一生懸命探し、Tさんが目ざとく発見し、その姿をしばし観察できた。
ダムの左右は、傾斜ある斜面であるため何処でもオオルリの留るポイントとなりやすい環境である。オオルリが去ると、次にケツケツとヤマセミの鳴き声が下の斜面から聞けてくる、反対の山のほうからも聞こえる、が姿を確認できない。とうとう姿を確認できないうちに去ってしまった。あたまの上を数羽のイカルが通り過ぎていった。
駐車場所の近くの道路にたくさんのフデリンドウが、朝には気が付かなかったが、太陽が高くなると開花していた。
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フデリンドウ |
駐車場所に到着し、荷物を降ろさないうちに北の稜線からオオタカが出てきた。大きくゆっくり旋回し空高く舞い上がって行った。
その場を去る未練を残しつつ、帰途に着く、途中高いダムの堰堤から貯水池のほうを見ると、遠く月山方面を見渡せた。結構急な山道だ、トビが悠々と上空を舞っていた。
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オオタカ |
今回は、今までの観察地とは若干ロケーションをことにしているためか、タカ類を多く見られた、やはりところ変われば何とやらで、バリエーションのひとつに付け加えればよい、
そんな満足できた観察会であった。
【報告: BT】
【写真: TK, YH】
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