日光野鳥研究会

第51回 観察会 報告

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日時: 2005年2月20日9:00〜15:00
場所: 渡良瀬遊水池
参加者: 25名

【渡良瀬遊水池】

確認できた鳥: カンムリカイツブリ、セグロカモメ、カワウ、マガモ、カルガモ、ハシビロガモ、コガモ、トモエガモ、ヨシガモ、オナガガモ、ヒドリガモ、キンクロハジロ、ミコアイサ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、イカルチドリ、イソシギミサゴ、トビ、ノスリ、ハイイロチュウヒ、チュウヒチョウゲンボウコチョウゲンボウ、キジ、キジバト、カワセミ、アカゲラ、ヒバリ、ハクセキレイ、モズ、ジョウビタキ、ツグミ、シジュウカラ、ホオジロ、カシラダカ、オオジュリン、カワラヒワ、ベニマシコ、シメ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス
観察できた哺乳類: ニホンイタチ、ホンドタヌキの死体

この色の種名をクリックすると写真がご覧いただけます


参考:2/20の日光市内の気温と湿度のグラフ

(グラフは日光市内のもので観察地の気温・湿度とは大きく違います)


−写真をクリックすると別ウィンドーに写真が拡大されます−


2月20日(日)

 今回の渡良瀬遊水地は日光野鳥研究会としては初めての場所である。
ここは栃木、茨城、群馬、埼玉の4県にまたがる面積3,300haの広大な遊水地で、全国でも最大級のヨシ原が広がっている。冬季この遊水地,ヨシ原には多くの水禽類,猛禽類が訪れる。これらの冬鳥を観察し、ヨシ原の自然を楽しんでもらうのが今回の目的である。

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 北エントランスから入った駐車場に集合し、東武日光線で来た人達と合流して最初に谷中湖でカモなどの水鳥を観察する。しかし、水不足のせいか水位が下がっていて鳥が遠い、スコープでもやっとの距離だ。残念だがそれでも日光では見る機会が少ない水鳥である。北橋というところがカモ類を見るのに良いポイントなので、そこまで行って観察することにする。

 マガモ,ヒドリガモ,コガモ,カルガモなどはここの常連である。他にヨシガモ,ハシビロガモなどがスコープに入る。ミコアイサもいる。ミコアイサはいつ見てもきれいだ。谷中湖ではカンムリカイツブリもよく見られるのだが今日は少ない,やはり水位が低いせいだろうか。ミサゴが上空に現れた。このタカも日光では珍しい、白が目立つきれいなタカである。

 そろそろ谷中湖を引き上げ、駐車場近くのヨシ原に向かって歩き始めた時、別のグループが橋の先にトモエガモがいましたよと教えてくれた。そう簡単には見られないカモである。せっかくだから橋の先まで戻って探すことにした。なかなか見つからないが誰かが遠くにいるのを発見、「いた!」独特の顔が見える。しかし,かなり遠い。スコープでもやっとの距離である。よく見えなかった人もいたのではないかと気になる。

 予定より時間がかかってしまったので,昼食をとる場所まで急いで戻ることにする。
駐車場近くまで戻るとヨシ原でベニマシコ、芝生にツグミ,シメ,ホオジロ,ヒバリ等が見られた。鳥はそれなりに出ているが、今日は小鳥類も遠い。昼食は史跡である延命院跡の小高い丘で食べることにする。Sさんがいつもの料理の他にトドの缶詰をふるまってくれた。さすがにこれは初めて食べる。うーん,牛肉と言われてもわからないかも。Sさん、いつもごちそうさまです。またよろしくお願いします。昼食中にヨシ原の主役であるチュウヒが何回か草原の上を飛んでくれた。日本ではチュウヒ類で一番普通の種であるが、レッドリスト絶滅危惧U類、オオタカ、ハヤブサと同じカテゴリーに属するタカである。また、色彩に個体差があって中には別種のように見えるものもいる。地味ではあるがなかなか魅力的な鳥だ。

 昼食後車に乗り合わせて通称鷹見台に移動する。ここはヨシ原を見渡せるところで,ヨシ原の上に出現する猛禽類を観察するのに適した場所である。多くのタカが見られるためにいつの間にかこんな名前がついた。

 この鷹見台に車を停めて,少しの間観察する。チュウヒ、ハイイロチュウヒ♀がでるもののやはり遠い。鷹見台から土手の上をコミミズクが出るという畑の方に歩くことにする。遠くの木にノスリ,トビが止まっている。ハイイロチュウヒ♀が畑の方に降りた。畑の前にはコミミズクねらいのカメラマンが並んでいる。そのカメラマンが人為的に立てた木にチョウゲンボウがとまっている。

 カメラマンの手前で土手から降りて渡良瀬川沿いに戻る。柳の木(?)にカシラダカ,モズがいた。またミサゴが上空を通過する。何か変な形だなと双眼鏡で見ると,足に大きな魚をつかんでいる。S君はコイだと言っていたが,本当か?渡良瀬川を渡って鷹見台と反対の土手に登る。野鳥研の皆にはこのくらいは平らなところのようで皆元気だ。土手の上からヨシ原を見ると遠くにチュウヒミサゴが止まっている。

 今度は下に降りて新川という川沿いに歩くことにする。川岸にイカルチドリが,ヨシの中にはオオジュリンがいる。遠くにとまっているのはノスリか。川の上をコチョウゲンボウが通過した。コチョウゲンボウもそれほど見られる種ではない。とまっているのを探していたらまたまた遅くなってしまった。

 鷹見台に車を取りに行くとたった今コミミズクが出たという。急いで皆を迎えに行ったが,残念その後は出てこなかった。それでも鷹見台正面の木にコチョウゲンボウ♂,♀がとまった。この木はねぐらになっているようである。♂の背中の青がきれいに見える。
 ここで鳥合わせをして解散。予定よりかなり時間がオーバーしてしまった。遠くから参加されていた方申し訳ありませんでした。

 皆さん,渡良瀬はいかがだったでしょうか。今回は鳥が遠くて残念でしたが,チュウヒ,ハイイロチュウヒ,チョウゲンボウコチョウゲンボウ,オオタカ,ハイタカ,コミミズクなどの猛禽類は目の前に現れることもあります。通常であれば水も豊富でカモ類ももっと近くで観察できます。また、初夏にはオオヨシキリ,セッカ,ヨシゴイ,ササゴイなどが見られます。ぜひ,またお出でください。

<渡良瀬の野鳥小図鑑>

セグロカモメ

コガモ

ダイサギ

イソシギ
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ミサゴ

チュウヒ

チョウゲンボウ

コチョウゲンボウ

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ツグミ

ヒバリ

ベニマシコ

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【報告: YH】
【写真: OY、ST、MM、IT】


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