日光野鳥研究会

第47回 観察会 報告

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日時: 2004年10月17日9:00〜15:00
場所: モッコ平
参加者: 18名

【雲竜渓谷】

確認できた鳥: ホオジロ、ホシガラス、ノスリ、イワツバメ、コガラ、シジュウカラ、ハシブトガラス、カケス、アマツバメ、ゴジュウカラ、ウグイス
観察できた花: リンドウ
観察できた昆虫: ルリタテハ、ヒオドシチョウ、アキアカネ
観察できたきのこ: シイタケアミタケ、ナラタケ、ムキタケ、ニガクリタケ、チャツムタケ、ヌメリスギタケヤマブシタケ
観察できた哺乳類: ニホンジカ、ニホンザル

この色の種名をクリックすると写真がご覧いただけます


参考:10/17の日光市内の気温と湿度のグラフ

(グラフは日光市内のもので観察地の気温・湿度とは大きく違います)


−写真をクリックすると別ウィンドーに写真が拡大されます−


10月17日(日)

 今年は、週末ごとに台風に祟られ、天気は大丈夫だろうかとやきもきしていたが、空は青々と晴れ渡り、風もない暖かな天気となった。相変わらず天気に恵まれる野鳥研の観察会だ。集合場所の裏見の滝駐車場に到着すると、Oさんが真新しい小鳥の死骸を収得されていた。松田さんによるとメボソムシクイであろうとのこと。(後日専門家の鑑定で間違いないとのこと。)こんな遅くまで残っていたので弱って死んでしまったたのだ ろうか。ムシクイ類の体の特徴がとてもよく観察できた。
 全員集合の後、4台の車に分乗してまず慈観滝の眺めが良い場所へ。青い空、紅葉した日光の山並み、白い慈観滝のコントラストの鮮やかな広々とした光景にしばし見入った。空にはイワツバメが舞っていた。猛禽も飛んでいたが遠くて識別できなかった。車へ戻ると林道脇の斜面に何やらキノコが。会長によるとアミタケで食べられるとのこと。

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 この後さらに林道を奥へ向かった。林道の終点に車を止め、外に出ると頭上をアマツバメが舞った。ホシガラスも観察できたそうだ。冬が近くなったので山から下りてきたのだろう。ここからモッコ平のなだらかな斜面を上っていった。斜面の東端を上って行くと快晴なので霧降方面の山並みの展望がすばらしかった。こんな快適な日なので猛禽など飛ばないかと目をこらすが、なかなか飛んでくれなかった。笹の生えた疎林の気持ちの良い斜面をどんどん上って行くと、途中カケスの渡りも観察された。

 しかし私を含めなぜか多くの人たちの目線は、空よりも地面に向かっていた。どうもペリットや羽根を探しているわけではなさそうだった。そうそう今年は雨が多かったせいか、あちこちの地面や倒木にアミタケシイタケ、ナラタケ、ムキタケ、ヌメリスギタケ、チャツムタケetc.いろいろなキノコが生えていて、それを探していたのだった。ついつい私も夕ご飯のおかずの調達に、いえいえキノコの観察にのめり込んでしまった。そんな中、Yさんがニガクリタケの群生を発見された。おいしそうなキノコが大量に、でも猛毒だそうで残念。さらにYさんが木に生えた何か面妖な物体を発見。まるでハリネズミかトトロに出てくるススワタリのようでとてもかわいらしい。正体はヤマブシタケで会長にうかがうと食べられるとのこと。

<日光のキノコ小図鑑>


アミタケ

シイタケ

ニガクリタケ
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ヌメリスギタケ

ヤマブシタケ


 そうこうしている内にお昼になり、昼食を取った。今日は天気に恵まれ景色はとても良いのだが、個々の木々の紅葉は今ひとつ鮮やかさにかけるようだ。会長によると、今年の異常な暑さのせいで紅葉はあまり鮮やかにならないだろうとのこと。そういえば日本海側では台風による餌不足で、今秋はやたら熊が人里に出て来ているようで、今回は熊と出くわすのではとびくびくしていた。しかし今日は、熊棚その他の熊の気配があまり感じられなかった。Aさんのお話では、今年、台風の直撃を受けずに気温が高かったので、日光では木の実などが例年よりかえって豊富なためだとのこと。
 帰りは斜面の西よりを下る。所々に笹のはげたところが見られた。鹿が寝ころんだところだとのこと。途中、大きな鹿のぬたば(または水場?)も見られた。ミズナラのドングリも豊作なようで茶色い立派なドングリがたくさん落ちていた。

 林道の終点から車に分乗し、行きにアミタケを見つけたところに戻り、アミタケを採取した。私も娘達もついつい夢中になってアミタケ探しに没頭してしまった。そのとき林道の反対側の林に猿が出現。キノコ取りに熱中する人間を怪訝に見ていたのでしょうか?。裏見滝の駐車場の混雑が予想されるで、その場所で鳥合わせをした後、車に分乗して駐車場に戻り解散した。
 今回はあまり鳥の種類は見られませんでしたが、ホシガラスも観察でき、天気にも恵まれた気持ちの良い一日でした。さらに多くの種類のキノコが観察することができ、日光の自然を満喫することができました。皆様どうもありがとうございました。
 翌日、我が家の食卓は持って帰ったキノコでにぎわいました。モッコ平の自然環境を思い出しつつ舌鼓を打ちながら、自然と食物を通した関わり合いも重要なのだなあと改めて思いました。

【報告: WY】
【写真: WY、ST】


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