日光野鳥研究会

第43回 観察会 報告

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日時: 2004年5月23日 9:00〜15:00 曇りのち雨
場所: 奥日光小田代ヶ原
参加者: 24名

【奥日光】

確認できた鳥: オシドリ、マガモ、ノスリ、カッコウ(声のみ)、アマツバメ、アオゲラ(声のみ)、アカゲラ、コゲラ、イワツバメ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ビンズイ、モズ、カワガラスルリビタキ、ウグイス、キクイタダキ(声のみ)、キビタキ、コサメビタキ、コガラ、ヒガラ、シジュウカラ、ゴジュウカラ、キバシリ、アオジ、ニュウナイスズメ、ムクドリ、ハシブトガラス
観察できた花: タチツボスミレ、フデリンドウ、ミヤマウグイスカグラ、セイヨウタンポポ、エンレイソウ、ヒメイチゲ
観察できた哺乳類: ニホンジカ、エゾハルゼミ(成虫、羽化中、抜け殻、昨年のミイラ)、コハルゼミ(抜け殻のみ)

この色の種名をクリックすると写真がご覧いただけます


参考:5/23の日光市内の気温と湿度のグラフ

(グラフは日光市内のもので観察地の気温・湿度とは大きく違います)


−写真をクリックすると別ウィンドーに写真が拡大されます−


5月23日(日)

 ヤマツツジの大群落をはじめ、シロヤシオ、トウゴクミツバツツジ等の花が盛りを迎えているはずの稚児ヶ墓は雲の中、午後からは雨予報…、第43回観察会は天候に恵まれず、会場を奥日光に移して実施されました。


 ハルザキヤマガラシで黄色く彩られたいろは坂をのぼり、トウゴクミツバツツジが満開の竜頭の滝を越えて赤沼まで到達するまでの間に、季節は数週間後戻りします。カラマツの芽吹きがはじまったばかりの戦場ヶ原周辺で、今回は、春ならではの生き物達の姿を観察することができました。
 戦場ケ原に入ってすぐの所にある橋を渡り、最初の休憩所で出迎えてくれたのは、ズミの木のてっぺんで囀るアオジでした。夏羽に衣替えして複雑な音色で囀っています。その隣のカラマツの中ではじっとたたずむハシブトガラスの姿。松田さんから、巣が近くにあり、見張りをしている雄だと教えていただきました。その間にも、上空にはアマツバメが横切り、カラマツ林上空には換羽で風切り羽根がぼろぼろのノスリがゆるゆると旋回しています。

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  アオジのポイントである、先ほどの休憩所でアオジがしっかり見られたということで、次はミズナラ林を通って小田代ヶ原に向かいました。
 林内に入ると、W家とC家の子供達が次々とエゾハルゼミを見つけ出します。こんなに樹皮と一体化した色をしているのに、彼ら彼女らの目はカラスなみです。また、さすがの観察力で、WYさんが羽化中のエゾハルゼミを見つけました。まもなくセミ時雨の時期が到来するようです。
 鳥の方は、道中ずっとキビタキの声がついて来ました。姿が見える度に一行の足がとまります。ピカピカの雄が喉を震わせて囀る姿は、スコープで覗くと本当に綺麗です。少し地味ですが、ニュウナイスズメも負けじと動き回っていました。枯れ木にコゲラがあけたと思われる穴を巣にしているニュウナイスズメを確認。繁殖のシーズンですね。


 繁殖といえば、市道1002号線沿いで見つけたコサメビタキの巣を報告しないわけにはいきません。ミズナラの枝の分岐に苔がふわりとへばりついた巣に、コサメビタキが座っていました。抱卵中のようで、スコープで見ると頭と尾だけが確認できます。黒い目があまりに可愛くて、参加者からは「一家に一台!」との声が上がります。本当に、持って帰りたい可愛さです!
 一方、生存の厳しさを目の当たりにしたのは、右翼を骨折したルリビタキとの出会いでした。石楠花橋から赤沼に向かう歩道で発見した、地面をうろうろ歩く、灰色っぽいルリビタキ。羽をぷくっと膨らませ、何を思ったか、時々人の方へ向かってきたりもします。非常に可愛く連れて帰りたくなりますが、ここもまた我慢です。


 小田代が原の手前で昼食をとり、一行が赤沼に到着するころ、雨脚が強くなり始めました。観察会の間は何とかもってくれたお天気に感謝です。あとは、雨に負けず、コサメビタキの卵が無事に孵りますように。
 今日は、どうもありがとうございました。

【報告: TA】
【写真: TK、WR、YR、MM】


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