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10月19日(日)
今回の会場となった「モッコ平」は、幼いころから馴染みのある場所で、特に、氏子として東照宮の千人行列の時に参道を清める「ナツツバキ」を、慈観の滝付近で切り出したことを思い出しました。
当日は、数日前からの好天が続き、観察会には最適な日となりました。集合場所の木彫りの里工芸センターから出発した先発隊に、裏見の滝駐車場で合流し、モッコ平へと向かいます。周りの木々は充分に色づき、紅葉と落ち葉の中を快適に進んでいきました。
10時20分頃には慈観の滝が見下ろせる場所に到着しました。観瀑場からは、澄んだ空気の中、中天に懸かる白い月と、男体山方向に猛禽類の一羽が、丹勢山の稜線上空にトビが飛んでいるのが観察されました。ただ一人滝壺をのぞいていた会長が、魚が泳いでいるの発見し、双眼鏡で魚を見るという、なんとなく奇妙な感じがしないではありますが7匹の岩魚が確認されました。「魚の話をするときは両手を縛ってしなさい。」との格言どおり、魚の大きさが次第に大きくなってきたところで、道に戻りました。
さらに、奥に進み、足ごしらえをしながら周りを見ると、上空を旋回しているノスリの姿が見られました。道端に咲いている薄紫色のリンドウや白いセンブリの花を見ながら、林道をショートカットしつつ林道の終点に着くと付近にはワラビの群生が見られ、春の楽しみを期待する声が聞かれました。
ミヤコザサと植林されたカラマツ林の中を北東にトラバースしながら40分ほど行くと田母沢川の右岸に出ました。上流に向かって歩くと、沢筋の斜面には伐採を免れた広葉樹が残っていて、ひと際鮮やかな黄色のウリハダカエデや赤い葉のシロヤシオなどの紅葉とツキノワグマが折ったミズナラの枝やクマ棚の跡が見られ、下草の葉には背中にハートのマークを付けたカメムシを見つけました。また、ミズナラの大木の根元に錆付いたシカ罠を見たときは寂しいような、なんとも言いようのない気分になりました。それでも、左側は生き物の気配が感じられない人工林と右側には豊かな原生の林との対比を実感しながら、沢伝いに歩いていきましたが、そろそろ昼食の時間となってきたので、前回、昼食をとった場所に行くために降り口を捜しましたが適当な場所がなく、やむなく林の中で昼食となりました。
食後の満足感もないまま13時頃に昼食場を後にし、女峰山への登山道を下り始めました。子供達は跳ねるように駆けて行き、カラマツ林に残されたダケカンバの巨木や自生のカラマツなどの木々を見ながら植林される前の森の姿を想像しつつ、キノコを探したり紅葉を見たりしながら、途中でアカゲラやオオタカが見られたそうですが、ゆるゆると下りていきました。
14時に出発地点に戻り休憩を取っていると、Y氏Jrが下山途中に見つけたノスリの羽根を並べていました。胴体部は見当たらなく翼や尾羽などが落ちていたそうで、並べ終えてから鳥あわせを行いました。松田先生からはノスリの羽根の模様を上から見る機会は滅多にないことだとのお話があり、14時30分に帰路に着きました。
今回の観察会で二つの教訓を得ました。
1. 道具の手入れは怠るべからず。
2. 異変は動物だけに限らず。
これからも教訓の数が増えないように参加させていただきますのでよろしくお願いします。
【報告: CO】
【写真: YS、ST、YR、WR、MM、IT】
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