日光野鳥研究会

第31回観察会 報告

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日時: 2003年6月15日
場所: モッコ平
参加者: 17名

【モッコ平】

確認できた鳥:

<慈眼滝>キセキレイ・ミソサザイ・カワガラス

<モッコ平>ビンズイ・コガラ・ノスリ・シジュウカラ・ゴジュウカラ・キジバト・ホオジロ・アカゲラ・センダイムシクイ・カッコウ(s)・ツツドリ(s)・ジュウイチ(s)・ヒガラ(s)・ホトトギス(s)・ウグイス(s)・アカハラ(s)・アオジ(s)・キビタキ(s)・イカル(s)・ヤマガラ(s)・コゲラ(ドラミング)・ヒヨドリ(s)・オオルリ(s)・イワツバメ(s)・トラツグミ(s)

※(s):声を聞いた鳥

観察できた花: レンゲツツジ・ヤマボウシ・コゴメウツギ・ニシキウツギ・クマイチゴ・カマツカ・ホオノキ・ヤマツツジ・トウゴクミツバツツジ・ササバギンランバラ科サクラ属sp.・シロヤシオ・ギンリョウソウ・フタリシズカ・ヤマオダマキ・ウマノアシガタ・ユモトマムシグサ・ムラサキサギゴケ・ミヤマザクラ
観察できたほ乳類: ホンドギツネ・ホンドリス・ヒメネズミ・テン(死体、糞)・ニホンジカ(死体、糞)・ニホンザル(糞)・ホンドギツネ(糞)・ツキノワグマ(糞)
観察できた昆虫: コチャバネセセリ・ヤマキマダラヒカゲ・ウスバシロチョウ・スジグロシロチョウ・モンシロチョウ・エゾハルゼミ・オトシブミ
観察できた魚: イワナ
観察できた(?)山菜: シイタケ、ワラビ

この色の種名をクリックすると写真がご覧いただけます


参考:6/15の日光市内の気温と湿度のグラフ

(グラフは日光市内のもので観察地の気温・湿度とは大きく違います)


−写真をクリックすると別ウィンドーに写真が拡大されます−


6月15日(日)

 雨が上がったとはいえ、今にも泣き出しそうな空の下、木彫りの里の駐車場に集まった会員総勢17名。天気がもつことを祈りつつ、4台の車に分乗し、モッコ平へ向けていざ出発。

 裏見ノ滝から続く野州原林道のゲートをくぐり、車でひたすら登る、登る。Eさんご夫妻の車中では、砂利道で揺れるたびにホップ君とソックス君が落ちつかなげな様子。でも、景色は申し分なく、新緑が目に優しく、美しく。日本の自然は本当に素晴らしい!それに比べて護岸工事を施された川が苦しそう・・・。

 慈眼滝で一旦停車。足元が濡れないように身支度を整えていると、笹薮の中をなにやら茶色の物体が走る!子狐でした。私は茶色の尻尾らしきモノがひらひらするのを目撃しただけでしたが、後続車では道路を横断、しかも往復する狐を見たという方もいらっしゃいました。うらやましい。

 霧に煙る慈眼滝の姿はまた格別。ジュウイチの声を聞き、滝壷にある岩の上のキセキレイを眺めているうち、崖っぷちに立っているという事実がジワジワと恐怖心に変わります。早々に退散しましたが、カワガラス、ミソサザイを目にした方もいらっしゃいました。

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 再び車で移動。登山道入り口に停車し、お弁当は内に残したままいよいよモッコ平へ!
蒸し暑い東京に比べると、寒いぐらいに感じる登山道。レインコートを着て、ちょうどいいかなと思って歩き出しました。

 鳥の声はすれども姿は見えず。イントロ・クイズ、シルエット・クイズと松田さんに言われながら、耳を澄まして目を凝らす。わからない…。

 途中、鹿の残骸発見!ちらばった毛、ひづめ、骨。あのように自然に戻っていくのですね。Yさんには顎の骨、歯、などと解説をしていただきました。YSさんはまだ肉がついているなどと細かく観察。さすが蛙の子は蛙。

 コガラが遊ぶ様子とビンズイが木の梢でさえずる姿はなんとか見られましたが、他には…。頭上に姿が見えぬなら、と目線を下げると、もう初夏というのにあそこに、ここにおいしそうなワラビを発見。赤いレンゲツツジや白いズミに似たバラ科の植物など目を楽しませてくれるものはいっぱいあります。

 徐々に砂利道は笹道に。そのころになると肌寒いどころか、身体が温まり、次第に汗が噴き出してきました。実はかなりきつい傾斜の道でした。お腹もすきます。霧が深く、先の方までは見通せない山道。分岐点まで進むと、先発隊が折り返し、別ルートで山を降りていきます。私たちは後続隊を待つのですが。…来ません。どうしたのでしょうか? いくら霧が出ているとはいえ道がわからなくなるほど深くはないのですが。携帯電話は圏外。すると下の方から私たちに呼びかける声が聞こえてきました。なんと後続隊はショートカットをして先発隊に合流していたのでした。ずるい…。と思ったのは私だけではないはず。

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 そこからは濡れて滑る足元を確かめながらトコトコと下っていきます。途中、ヤマツツジを楽しんだり、大木に触って感動したり、マムシグサを見つけたり、ギンリョウソウの種をつついたり…。会長はスッと道からそれたと思ったら、立派なシイタケを見つけて戻っていらっしゃいました。おいしそう…。もはや、私は完全に動く生物より動かない生物を探していました。

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 駐車場(?)にみな無事に到着。それぞれ分乗していざ出発!お昼ごはんが待っています。河原を目指して林道を下っていく途中、道端にイタチのような動物が死んでいるのが目にとまりました。E氏に車を止めていただいたところ、かなり腐敗臭が強く漂っていましたが、まだ毛の色もわかる小動物の死骸です。お弁当の河原まであと少しという場所だったため、すでに仕度を始めていらっしゃったYさんに見に来ていただきました。見立ては、なぜか下あごが無くなっている死後一週間ぐらいのテン。間近で見る動物の亡骸は痛々しいものがあります。

 気を取り直し、ようやくお弁当。いつものことながらみなさん本当においしそうな豪華版。いろいろな食べ物を回していただいて、食欲魔人と化してしまうのもいつものこと。キセキレイが水辺で遊ぶのを眺めながら楽しい食事をしていると、空にはノスリが!おしゃべりをし、双眼鏡を構えながらの食事が終わる頃、待っていたように雨が降ってきました。

 手早く後始末をし、鳥合わせの場所、裏見ノ滝の駐車場まで、また車に分乗して降りていきます。ところが、後続車が来ない。ちっとも来ない。これは何か見つけたに違いないとEご夫妻やNさんと話していると、リスを見たと言いながらようやくみなさんが到着。私もリスが見たかった。残念!

 全員が揃ったところで、ホウノキの下にある寒そうな四阿は避け、駐車場に丸くなって鳥合わせ。今回はあまり鳥の姿は見られなかったのですが、声を楽しみ、新緑、花、山菜、虫などの自然を満喫することができました。

 そして木彫りの里で解散。少々筋肉痛の予感を抱えながら、次回へと思いを馳せました。

【報告: IK】
【写真: IT】


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