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5月18日(日)
レポートもようやく一巡したようです。1回目の雲龍渓谷を書いたときはメンバーサイトもなく、場所や鳥の記述に気をつかったの思い出します。
あの時はすぐに2回目が廻ってくるかと思われたのですが、次々と新しい方が入会してようやく2回目が回ってきたと言う感じです。
今回は昨年好評だった稚児ヶ墓のツツジめぐりの予定でしたが、集合場所の木彫りの里から見渡す山の稜線は灰色の霧に覆われて絶望的、しかたなく晴れ間の期待できる戦場ヶ原へと急遽変更となりました。市内が雨でも30分も移動すれば青空の元で活動できる。この季節、日光の天の恵みです。
木彫りの里ではハチクマと言う猛禽が上空に飛来しました。私はこの鳥を見るのは初めてなので収穫でした。頭の突き出た感じのシルエットが印象に残りました。時々翼を上に合わせるような飛び方をしていましたが、図鑑をみたらディスプレーフライトとありました。
霧のイロハ坂を抜け,中禅寺湖にさしかかる辺りから上空が明るくなり始め、赤沼に着くころには暖かな日差しに包まれます。何回訪れてもこの劇的な変化は、川端康成の雪国さながらと感服します。季節もミズナラの芽はまだ開いておらず、ズミやカラマツの芽吹きが始まったところで時間が後戻りした感じです。
足取りも軽く戦場ヶ原へ、国道からすぐのズミ林のなかに数等のシカが草を食んでいるのを眺め、流れを渡って木道に入ります。辺りはニュウナイスズメが多く、オスの鮮やかな赤茶色が印象的です。湯川ではマガモのつがいがのんびりと流れに見をゆだねています。Sさんのどうしてカップルとわかるのかと言う鋭い突っ込みが入りましたが、そのあと繰り広げられたある行為によってその問題はすぐに解消されました。
やがてチンチロリンとアオジの囀りが響いてきます。私はこれを聞くと戦場ヶ原に夏がやってきたなと感じられます。アオジは木のてっぺんで囀っているときはすぐにわかるのですが、藪に隠されると近くにいてもなかなかわからないものです。
本日のハイライトはすぐやってきました。アオジに続いてカッコウの声が聞こえたのもつかの間、湯川上流からお呼びですかと言わんばかりにカッコウが飛んできて、「あっ、あっ」と言っている間に下流の方へ。どこだどこだと騒いでいるところ、不意をつく様にオオジシギが背中の方をズビズビと鳴きながら飛び去る、どちらも一瞬であっけなく終わりました。
気をとりなおして先に進むとノビタキのオス,メスが枝先から輪を描く様に飛んで虫を捕食する光景を間近にじっくりと観察するチャンスにめぐり合いました。
ズミの林を抜け、開けた湿原に出るとホザキシモツケのやぶのなかにはホオアカの姿も見られます。
青木橋でちょうどお昼、いつもの様にSさんや会長の差し入れがテーブルをにぎわし、食も進みます。毎度ご馳走様です。
昼食をとって先に進むと道端にたたずむシカに出合いました。近づいても逃げず、かなり人なれしているようでした。
湿原では背の低い潅木の枝にノスリが止まって、ネズミでも捜しているのかじっと下を見つめている様です。木道脇の水溜りではヤマアカガエルとおもわれる卵塊やルリボシヤンマらしきヤゴが見られました。泉門池の辺りまでくるとキビタキが美声を響かせ、池にはコガモの姿がみうけられます。この時期泉門池にコガモがいるのは珍しいとの事です。途中、当会会員でもある自然計画の宮地さんのパーティーとすれちがい、湯滝への道を見送って光徳入り口へと向かいます。赤沼まで戻る予定が少しのんびりしすぎた様で時間切れとなり、Yさんと私がさきに車を取りに戻りました。光徳入り口でバス待ちをしている間にズミで囀るキビタキとアオジの姿を楽しめました。予定が変わった割には最初から最後まで結構楽しめた一日でした。
帰り際にトイレのために赤沼に立ち寄るとシカが人から餌をもらうようなそぶりをしている光景に出合いました。駐車場のなかでシカを見るのは初めてで、奈良の公園のような情景です。今後どの様な事になってゆくか心配される光景でした。
【報告: YR】
【写真: YR、YS、YH、OS】
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