日光野鳥研究会

第27回観察会 報告

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日時: 2003年4月20日
場所: 日光植物園、五葉平
参加者: 16名

【日光植物園】

確認できた鳥: アオゲラ、イカル、イワツバメ、ウグイス、エナガ、オオルリ、カケス、カワガラス、キクイタタキ、キセキレイ、キビタキ、コガラ、コゲラ、コサメビタキ、ゴジュカラ、シジュウカラ、センダイムシクイ、トラツグミ、ヒガラ、ヒヨドリ、ミソサザイ、メジロ、ヤブサメ、ヤマガラ、ハシブトガラス、マガモ、カルガモ、オシドリ
観察できた植物: イワウチワ、ウスバサイシン、キバナイカリソウ、コガネネコノメソウ、ショウジョウバカマ、シロバナエンレイソウ、ニリンソウ、ネコノメソウ、ハナネコノメソウ、ハルトラノオ、ヒトリシズカ、キクザキイチゲ、エイザンスミレ、タチツボスミレ、タムシバ、チョウジザクラ、ブナ、ツチグリ(茸)
観察できた動物: アズマヒギガエル、ヤマアカガエル(卵)

【五葉平】

確認できた鳥: アカゲラ、オオルリ、シジュウカラ、ツツドリ、メジロ、ハシブトガラス
観察できた植物: カタクリ、ショウジョウバカマ、ハルトラノオ
観察できた動物: ハコネサンショウウオ(成体・幼体)

この色の種名をクリックすると写真がご覧いただけます


参考:4/20の日光市内の気温と湿度のグラフ

(グラフは市内のもので観察地の気温・湿度とは大きく違います)


−写真をクリックすると別ウィンドーに写真が拡大されます−


4月20日(日)

観察会前日。私が日光に着いた時は既に明日の観察回の中止が決まった後でした。それでも夜はとても美しい星空で天気予報が間違っていたらいいのに…と思いつつ床につきました。
観察会当日。早朝は曇りでしたが、やはり予報どおりの雨でした。集合時間の9時に木彫りの里に行くと、5、6人のはずだった当初の予想に反してなんと!16名もの人が集まりました。雨のため急遽木彫りの里工芸センターの2階を借りて打ち合わせ、各自来車で日光植物園に向かいました。

植物園の駐車場に車を停め、春雨の中駐車場の脇の道から林の中を大谷川に向かってだらだらと下り、川につきあたってからは川に沿って砂利道をゆっくりと歩きました。まだ芽吹いていない高い木の枝からは雨にもかかわらず、ヒガラやヤマガラ、コサメビタキなどの鳴き声や、時に枝を飛び交う姿も見えます。園内から大谷川に流れ込むのか砂利道の左側にも水が流れ、その脇にハルトラノオやセントウソウなどの花々が咲いています。

   

左手に池が見えてきた所まで来た時、池の向こうの丘の上、高い木々に鳥の群れが飛んできて、松田顧問からイカルの群れとの解説がありました。また、とても寂しそうなトララツグミの声が聞こえましたが、姿を見ることはできませんでした。

再び川の脇の道に戻って歩いていると今度はオオルリがいました。川岸の木の枝にいるのを見つけて大騒ぎになりました。殆どの人が川の手前から対岸の杉の木立ちの間を飛び移って行ったオオルリを双眼鏡に入れて大興奮。鳴き声はもとより姿もはっきりと、しかもかなり長い時間見ることが出来ました。
道なりに進み湿地の植物のエリアでは、お目当てのひとつだったミズバショウの白い花が咲き、池ではカエルの鳴き声だけでなく卵もみることが出来ました。また、アオゲラの鳴き声や、エナガやヒガラ、コガラが飛び交う姿も見れました。

再度、大谷川に向かって下り今度は橋を渡って対岸の林の中へ。橋の上でSさんが芽吹き始めた木の上にヒヨドリの巣を見つけました。林の中を折り返して、今度は橋を戻り林の中を歩きます。ここでも、ゴジュウカラやヒガラ、コガラなどが飛び交っていましたが、杉の木などの高い木の上でシルエットだけしか見ることはできませんでした。一方、木の下にはカタクリやイワウチワの薄桃色の花が咲き、池にはカルガモ、葉陰にはカエルもいました。午前中はゆっくりと植物園を一巡して過ぎました。

植物園を後にして五葉平で昼食。いつものようにSさんの作ってくれたおいしい差し入れつきです。今回はIさんご夫妻からもおいしいお饅頭の差し入れを頂きました。特に、前日にSさんが採ってくれた筍を皮が着いたまま炭火で炙って蒸し焼きにして頂いた時は、松田顧問の「ツツドリが鳴いているの聞こえる?」、「今オオルリも鳴いているよ」とのお言葉にも一同、気のない返事を返すばかりでした。

お腹一杯昼食を食べた後、今度はサンショウウオ探しに出発しました。最初は、以前にMさんご夫妻が見つけた辺りで探してみる事になりました。数人が道の脇の流れまで降りてサンショウウオを探します。すぐに幼生を1匹捕まえることに成功。さらにお目当ての場所があり、もっと奥に行く事に。傾斜が緩くなって流れが広がっているところに来ると、YS君が先頭をきって道を逸れて流れに入って行きサンショウウオを探します。何枚目かの石をひっくり返したとき、幼生が石の下から逃げ出してきたようにみえ、網ですくい捕ったのですが、サンショウウオではなくて一同がっかり。大人達が飽きてきた頃「オオルリがいる」の声で、一斉に双眼鏡でオオルリ探して見ることに。オオルリはすぐ上の木の上にいて美声を楽しませてくれましたが、逆光で姿がはっきりとは見えませんでした。そうこうしている間もYS君は黙々と川の石を裏返してサンショウウオを探し、とうとう成体のサンショウウオを捕まえる事に成功。YS君の「捕まえた!」の声で、今度は一斉にサンショウウオを見に移動する大人達。逃げようとするサンショウウオを網の中に入れ、道々YS君の説明を聞きながら五葉平に持ち帰って記念撮影。今回、成体を捕まえた事でサンショウウオの種類を確定できました。記念撮影後、サンショウウオを元の川に返して観察会は解散となりました。

雨のため中止との連絡を受けて欠席した皆さんごめんなさい。雨にもかかわらず春を満喫した一日でした。

【報告: NM】
【写真: YS、IT】


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