日光野鳥研究会

第24回観察会 報告

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日時: 2003年1月19日 9:30〜12:00
場所: 日光小倉山森林公園「野鳥の散歩道」
参加者: 31名

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確認できた鳥: ミヤマホオジロ・アトリ・カシラダカ・カケス・ジョウビタキ・カワガラス・カヤクグリ・ベニマシコ・スズメ・トビ・キジバト・ハシブトガラス・ノスリ・ホオジロ・シジュウカラ・ヒガラ・アカゲラ・ツグミ・セグロセキレイ・カワラヒワ・ヒヨドリ・マヒワ
観察できた昆虫: ゴマダラチョウ(越冬幼虫)・ウスタビガ(繭の抜け殻)
観察できた花: イヌコリヤナギ(咲き始め)


参考:1/19の日光市内の気温と湿度のグラフ

(グラフは市内のもので観察地の気温・湿度とは大きく違います)


−写真をクリックすると別ウィンドーに写真が拡大されます−

 観察会報告が、ついに入会してまだ1年の私たちに回ってきた。
 でも、夫婦参加の場合は協力して書くもの。ミニ観察会の報告は夫の担当と決まった。ところが、いっこうに文章が出来上がっている様子がない。どうしたのかと夫にたずねると、11月のEさんの報告を読んだとみえて、突然、日本語が書けないふりをしてすました顔をしている。ああ、どうしよう。
と、報告が遅くなった言い訳はこれくらいにして、本文へ。


1月19日(日)
 朝7時半ごろ、ペンションの外へ出てみると、心配した天気は崩れるのが遅れたとみえて、晴れていて日光連山もくっきり見えている。だが、肝心の鳥の声がほとんど聞こえない。もう早々と朝風呂を済ませた松田さんも出てこられた。「あまり寒いと、鳥も活動が遅くなるんだよ。」とのこと。でも、今朝、活動開始が遅れている人たちは「寒いから」という理由ではなさそうだ。
 そう、昨晩は、ここペンション・シャトー・ルイーズを会場に、野鳥研初の新年会が盛大に開催されたのだ。ところで、新年会が始まるまでは、受付のテーブルにまるで酒屋さんのようにいろいろなお酒が並んでいたのだが、朝になってみると1本も見当たらなかったのはなぜだろうか。


 結局、木彫りの里9:00集合の予定が、9:30シャトー・ルイーズに変更となり、観察会のみの参加者も合流して、ペンションの駐車場からスタートした。コースは小倉山公園をめぐる鳥の散歩道。


 何となくいつもの観察会に比べて、皆、集中力が欠けているように感じられるのは気のせいだろうか。皆の視線が次第にうつむき加減になってしまう。「駐車場にフィールドスコープを忘れた」との声が聞こえてきた。気のせいでもなさそうだ。
 最初に出合う橋は白ヶ石橋。鳴沢にかかる橋だ。ここでセグロセキレイやカヤクグリを見ていたら、「ベニマシコがいる!」との声。さっそく全員の視線が注がれた。紅色が本当に美しい。住宅のすぐ前にとまっている。でもこの光景、はたから見ると、フィールドスコープや双眼鏡が一斉にある特定の家に向けられているようで、何だか可笑しくなってしまう。この辺りは野鳥の散歩道になっているから、家の住人も慣れっこなのだろうか。ベニマシコは少しずつ位置を変えながら、かなりの間、私たちの目を楽しませてくれた。


 橋を離れ、フジの豆のさやが落ちている道を南下すると、ネット越しにカシラダカのような鳥が数羽見えた。しかし、頭が黄色っぽい。これがミヤマホオジロだそうだ。手前の木に移ってきたので、もっとよく見ようと双眼鏡を向けたら、カシラダカに変わっていた。
 道は大谷川を下に見て、登りとなる。途中、いつも感動するコナラの巨木「太郎コナラ」を見ずに過ぎてしまったことに後で気づく。私はアルコールが残っていないはずなのだが。丘を登りきって日光連山のパノラマが広がる所で、黄色い色をした、赤ちゃんの靴下のようなものを拾った人がいた。岡さんによるとウスタビガのマユとのこと。小さい頃、蛾や蝶を追い回していた私にとっては懐かしい名前だ。コナラの枝についていたのだろうか。本来はもっと緑色だそうだ。


これより、紅葉時季には鮮やかな色合いを見せるカエデの丘を下ると、エゾエノキの木がある。根元付近の枯葉をめくると、ゴマダラチョウの幼虫が越冬中。幼虫は秋に木を降りてきて落ち葉の中で越冬し、春にまた木に登ってくる、と飯村さんの説明。せっかく枯れ葉のベッドで気持ちよく眠っているところを邪魔されて、ゴマダラチョウの幼虫は可愛らしいツノをふりあげて必死に抗議しているようにみえた。
 ここからまた住宅地になる。鳥もヒヨドリ、スズメ、キジバトと一般的。住宅の庭木にアトリがいた。頭の形も特徴的だ。「ベッカム・ヘアー」の声に納得。
下にあずまやが見える所に出ると、皆、電柱にとまっている鳥を見ていた。ツグミだといわれたが、鳥が横を向くまで別の鳥に見えた。


ここから北上して、いつもの木彫りの里・駐車場に出る。カケスを横目に、木についている時は松ぼっくりなのに、落ちるとバラバラになってしまうヒマラヤスギの下を通って、ペンションに到着。11:40。足取りの重い人たちには適度なコースであった。
 スタート地点のペンションの駐車場にて鳥合わせ。いつもなら、たくさんの名前があがる昆虫や植物が、何故か今日に限っては極端に少ないのが印象的だった。
体調が思わしくない人の割合が多い観察会ではあったが(この理由は定かではない)、昨日の余韻を大切に胸にしまい、皆それぞれに満足げな顔で解散した。

【報告: AY・AN】
【写真: MM、IT、YB】


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