日光野鳥研究会

第22回観察会 報告

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日時: 2002年11月24日
場所: 戦場ヶ原・中禅寺湖畔(半月峠と男体山麓から変更)
参加者: 30名

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確認できた鳥: 【木彫りの里】マヒワ(群)・カケス
【戦場ヶ原】コゲラ・ミソサザイ・マガモ・エナガ・ゴジュウカラ・コガラ・ヒガラ・アオゲラ・ツグミ・アカゲラ・キバシリ・ノスリ・セグロセキレイ・シジュウカラ
【中禅寺湖畔】トビ・オオワシハヤブサ・ホシハジロ・マガモ・カワアイサ・ハジロカイツブリ・カルガモ・キンクロハジロ・アオバト
【全体】ハシブトガラス
観察できた木の実など: 【戦場ヶ原】カンボク・メギ・ズミ
【中禅寺湖畔】ヤマブドウ
観察できた魚類: ブルックトラウト(カワマス)・サクラマス
観察できた菌類: ツチグリ
観察できたほ乳類: ニホンザル・テン?(糞)


参考:11/24の日光市内の気温と湿度のグラフ

(グラフは市内のもので観察地の気温・湿度とは大きく違います)


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11月24日(日)

 11月の観察会は半月峠と男体山麓だ、半月峠は数回行った事があるが男体山麓はまだ、とても楽しみにしている。
 前日23日は毎年日本人全員がお祝いしてくれる私たちの結婚記念日。二人でシャンペン一本、白ワイン一本、赤ワイン半本をあけて寝てしまった。ふと、いつも一緒に寝ているポピーがいないことに気がつき愕然とする。案の定外に出しっぱなしで戸のところで寒そうに待っているではないか。だから酔っ払いはいやだなー。木戸が開き新聞屋さんが入ってくる。時計を見たら5時半であった。という事は一晩中だしっぱなしだ。ごめんなさいと犬に謝る。
 ふと雨が降っていることに気がつく。とうことは観察会はないのだなと思い込み犬ともうひと寝した。目を覚ましたら7時半ごろ。念のために会長に電話をしたら集合とのこと!、急いで電気釜にスイッチをいれ鳥のから揚げを(鳥はまずかったかな)作り、やっと起きてきたディックと朝食をとり荷物をまとめ、あわただしく9時8分前に家を出る。
 集合場所に着いてITさんにおはようございます、と言ったら、今日の観察記はIMさんの番ですといわれた。それ何ですかと聞いたら「しらばっくれても駄目ですよ、みんなやっているのですから」と怒られる。野鳥の会に入るのに、もし試験があるとしたら絶対落っこちる、鳥の事は何も知らない私には重ーい任務である。日本語が書けないのでこの仕事を引き受けなくてもいいディックがすまし顔でペンをかしてくれた・・・。
 どんよりと雨とも霧ともつかない朝なので、とりあえず中禅寺湖畔にある立木観音の駐車場まで行って今日の予定である半月峠に行くか行かないかを決めることになり、いつもの様に車に分乗して出発。
 いろは坂を上り始めたらまるでミルクの中に入った様。これでは今日は駄目だ、湯元で温泉にでも入って帰ろうかと予定を立てる。トンネルを過ぎ中禅寺湖畔に着いてもまだお天気は悪い。ITさんが「戦場ヶ原は晴れだとのことなので、そちらにいきましょうー。」と発表。そうかなーと半信半疑でまた車で出発。やや?!あれって青空?中禅寺湖畔を走り始めたらなんと青空が見えるではないか。ちょーラッキー!とはしゃいでしまった。しかも前のほうにうっすらと虹もかかっている。

 赤沼茶屋の所で駐車。男体山の頂も見えるではないか。日光に長く住んでいても頂がくっきり見えるのはそうは無い。ポピーの綱はWさんの子供たちが持ってくれることになったので私たちはとても楽だ。有難う!
 歩き始めて直ぐ一羽コゲラが見えた。笹の上には雪。カラマツの葉は無くまるっきりの冬景色。誰かさんが菖蒲が浜でオオワシを見たとの話をしている。トンビじゃないの、と信じない。が、この話が後になると・・・・・・。
 カワマスが泳いでいる。英語でBrook Trout. Brookは小川だからまさに直訳だ。明治時代グラバー邸で有名なグラバー氏がパーレット氏に頼んで(と言う事はグラバー氏がお金を出したと言う事)コロラドから卵を持ってきたとの事。そのせいで日光ではカワマスのことを確かにパーレットとよんでいます。本当でしょうか。
 ポピーが川に入り水を飲んでいるのを子供たちが見て喜ぶ。サクラマスも見える。これはヤマメの降海型だそうだ。所々に氷がはっている。カンボクの真っ赤な実がきれいだ。松田さんによると(ですから確かです。)レンジャクが食べるそうだ。でも人間には毒だとOさんがアドバイス。メギ(女木)という棘棘の木にも沢山赤い実がなっている。干し柿のように、または涙の様な水滴の形をしている。


 そのうちチッチ チッチとミソサザイの鳴く音がきこえる。川面にはつがいのマガモと一人ぼっちのオスのマガモがしきりともぐって何かを取っている。ITさんによると水藻を採っているらしい。松田さんが"今は何処にでもいるが昔は上高地と戦場ヶ原でのみ繁殖していた"との事。ひとつ利口になったぞ。木道を歩いているとエナガ1羽コガラ数羽が見られた。
 ふと湯滝の方を見上げるとなんと虹がかかっているではないか。双眼鏡でその虹を見たらボーッとぼやけた。バカな事するな!と自分に言い聞かせる。

   


 さらに歩き進む。遠くのシラカバが楚々としていてまさに美人が立っているようだ・・・。
 カラスの様なものが高山(?)の方角に消えていった。青木橋の所で一休み。温かいお茶がおいしい。湯川には沢山大小のカワマスいる。会長によると30年前は水深がもっとあったとの事。光徳の逆川からの土砂で随分埋まってしまったらしい。ITさん達3人がここで車を取りに赤沼に戻り、私たちは逆川までさらに歩くことになった。川べりにはかわいいツチグリがある。英語でいわゆるパフボールの仲間だ。つぶすとポッと粉がでる。子供たちは大喜び。


 歩き始めてモミの林に入るとケラの声がする。アオゲラであった。コガラが一羽木のてっぺんで飛び交う。ゴジュウガラもいる。やがて前のグループがなにやら見ている。何だろうと急いで追いつくと笹の原っぱがきれたあたりの木々の中にツグミがいるとの事で目を凝らすと、はいはい、いました!しきりに上下に飛んでいる。巣があるのかも。。。という人もいる。なるほど、なるほど。カラも5,6羽いる。泉門池の辺りでコガラの群れを発見。キバシリもいる模様。ケラの声もする。
 青木橋から1時間弱歩いて(何しろ途中止まっては鳥の観察ですから時間がかかるのです。)車道に出る。逆川のところだ。ITさんたちが迎えに来ている。どのくらい待っていたのかな。このあたりにはシカ対策の為のネットが随分ある。シカもいすぎかもしれないけど、人間もいすぎかも・・・。
 もう2時過ぎ。お腹すーいた!直ぐにも食べたいのだが金谷ボートハウスで昼食との事。

 ボートハウスにやっと着いて、いざご飯!と思って入ろうとしたらバラバラと何人かが慌てふためいた様子で小走りに出てくる。どうしたんですか?と聞いたら竜頭滝の所にオオワシがいるとの事。スコープをもって見に行くとか。ほかの人も皆見に行くとの事で私たちも行こうとしたが、リュックが数個置いたままになっているのでSSさんとディックと私は荷物番として残る事にした。と言うとカッコがいいが実は早くお弁当が食べたいのだ。
 ボートハウスのデッキからハジロカイツブリ、マガモ、カワアイサ、キンクロハジロ、カルガモなどが見えた。こういろいろ名前を言ってみると、野鳥研のメンバーにやっとなった様な気がしないでもない。

   


 美味しく食べていたら(もらった昆布巻きもとても美味しい)やがて皆帰ってきた。皆の話をうらやましく聞いていたらハヤブサとノスリが見えるとの事。口のなかにおにぎりが入ったまま外に飛び出す。スコープを覗いて見たらバッチリと見えるではないか。素晴らしい!去年のクリスマスにツァイスの双眼鏡を貰ったから今年はスコープをねだろうかな。でも今年はディックが5週間休みが取れたので二人で地球を一回りして来たばかりで彼は貧乏になっちゃったから、サンタクロース様お願いしまーす。
 テーブルに戻ってまた食べていたら(いつものようにSTさんから美味しい美味しい差し入れあり。タケノコの塩を使っての保存法を教わる)Oさんがすっ飛んできてカワアイサがいると教えてくれる。これもスコープのなかにくっきり見える。頭が特徴なのでド素人の私にもわかる。
 ざわざわとしたと思ったら又Oさんが駆けつけてきてアオバトがいますとの事。ただのハトかと思ったらこれが大違い。日本画の色というか着物の色と言うか本当にきれいなみどり色。Japanese Green Pigeon と言うだけあって見事なグリーンだ。海まで行って塩を飲むのだそうで大変珍しいのだそうです。止まっている木はウダイカンバとの事。そして山葡萄のつたがたわわに実をつけている。アオバトとしてはこれ以上素敵な場所は無いですね。
 すると今度はあっちでオオワシが飛んでるー!との叫び声。肩の白点が見えるとの事。私も双眼鏡を握り締めて目を凝らすが白点は結局見えなかった。行きに誰かがオオワシを菖蒲で浜で見たと行っていたことは本当だったんだと思い当たる。「トンビだんべ」と信じなくてごめんなさい。


 今回しみじみ感じた事だが、とにかく皆さんは見つけるのが早い。どういう訓練をしているのでしょうか。教えてください!私は先週文化の秋にかこつけ東京に一泊でいって明治座と歌舞伎座にいったのだが、そのときの顔見世興行のように今日はまさに鳥の大顔見世でした。しかもタダだし・・・。あっちではオオワシ、こっちではアオバト、むこうではハヤブサとノスリ。玉屋!鍵屋!で花火の仕掛けを見ているみたいだ。
 もっと見ていたかったのですが時間になりましたので後ろ髪を引かれる思いでまた車で集合場所の木彫りの里まで戻ることとなった。走り始めて数分もしない内にまたまた霧の世界に入ってしまった。
 私たちって今日は最高についていたんだ。3時20分に木彫りの里に着く。いつものように2階で報告会。昔は花見、月見、雪見と同じレベルに枯野を楽しむ事もあったとか。"侘び寂び"の世界を満喫しましたね、と松田さんがおっしゃる。ハイ、大変楽しゅう御座いました。ここでお開きといたしましょう。
 日本語はこのところあまり書いた事が無いので、ちょっと変なところがあるのは御免なすって・・・。

【報告: EM】
【写真: TK、ST、IT】


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