日光野鳥研究会

第20回観察会 報告

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日時: 2002年9月29日
場所: 雲竜渓谷
参加者: 28名

7月29日雲竜渓谷

確認できた鳥: メボソムシクイ、ウグイス、カケス、シジュウカラ、ヒガラ、ハシブトガラス、ゴジュウカラ、アオゲラ、ノスリ、ホオジロ、アカゲラ
確認できた花: サワフタギ(実)、ヤマハハコノコンギク、ゲンノショウコ、シロヨメナ、シオガマギク、ウメバチソウヤマトリカブト、ダイモンジソウ、テンニンソウ、シラネセンキュウ、ウスユキソウ(花後)
確認できた紅葉: ハウチワカエデ、イタヤカエデ、ウリハダカエデ
観察できた昆虫: キタテハ、クロヒカゲ、ウラギンシジミ、アカタテハ、キチョウ、イチモンジセセリ、アサギマダラ、ツマジロウラジャノメ、エゾスジグロシロチョウ、モンシロチョウ、カンタン()、アキアカネ
観察できた哺乳類: ニホンジカ()、ニホンザル(稲荷川下流域で)、テン、ノウサギ(骨)、ツキノワグマ(糞)
観察できた両生類: ヤマアカガエル、アズマヒキガエル
観察できたは虫類: カナヘビ(稲荷川下流域)


参考:9/29の日光市内の気温と湿度のグラフ

(グラフは市内のもので観察地の気温・湿度とは大きく違います)


−写真をクリックすると別ウィンドーに写真が拡大されます−

  稲荷川下流域キャンプ場へ向かう車窓から 青空をバックに 女峰山が美しい。木漏れ日の中を進んで行く。今日のこのお天気を 誰が予想できただろう。日光野鳥研究会には 日光の神様が付いているのだとつくずく思う。
 稲荷川下流域には 一番のりした。奥の方でカケスが数羽鳴いている。広場には 杉の木が二本切り倒されていた。杉の木は 思ったより長く、長く寝そべっていた。皆さんが集まって来るなか、会長が籠を持っていらしてナラ茸取りを 教えてくれた。皆で摘んだナラ茸は お昼のけんちん汁で 賞味することにした。
 自己紹介のあと松田さんから 本日の見所の説明があった。カケスは 10数羽の群れになって 里のほうへ移動する事、ワシ・タカ類も渡って行く時期である事など。


 いつものように車に分乗して 雲竜渓谷に向う。日向砂防ダム展望台で車を降り、展望台に上がって 観察を始めたその時 鹿の雄叫びか 渓谷にこだました。どんな風に鳴いたのか実際に文字にしてみようとすると 難しい。松田さんの説明では 3回続けて鳴くのだそうだ。「奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の 声聞く時ぞ秋は悲しき」の歌が思い出され 頂を仰ぎ見ると ハウチワカエデがところどころその梢を 鶏の鶏冠の様に真っ赤に染めている。後で教えてもらったのだが 黄色く紅葉しているのは イタヤカエデだそうだ。Iさんが「これがサワフタギです。」と言って青い小さな実のなった木を指差して 教えてくれた。前回は観なかったと思っていると この木の実は 1週間ほどしか付いていないという説明があり 今回は 例年より2週間ほど遅い観察会になったので 観る事が出来たのだ。そういえば ノコンギクの葉やテンニンソウの色がかなり黄ばんでいる。
 さらにIさんがキタテハを捕まえて羽の裏が まるで枯葉のようになってる様子と 羽のふちがぎざぎざして これまた枯葉にそっくりになってきている事を 教えてくれた。この蝶は こうして厳しい冬を越すのだ。鳥を見ることは出来なかったが 今年もこの展望台で新しい事を学んだ。


 また車に乗って 行けるところまで行った。車を降りると メボソムシクイが「ジョリジョリ」と囀っている。ウグイスの地鳴きも聞こえる。シジュウカラもいる。此処から雲竜の滝が見えるところまで それぞれに関心のあるものを中心に観察を進めた。今年もウメバチソウ、シオガマギク、ヤマハハコヤマトリカブト、ダイモンジソウなどが可憐な花を見せてくれた。勿論たくさんの蝶も観る事が出来た。途中で カンタンが美しい音色で鳴いていた。去年はどうだったか覚えていないが 今回はカエルも何種か出てくれた。Sさんがクロガエル?を追いかけて瓦礫の端まで行った時は 皆でハラハラしてしまった。

 


 4月にあったというシカの死骸は跡形も無かったものの、その体毛らしきものと細い細い何本かの骨が道路にへばり付いていた。何人かの方が石の裏をひっくり返して 虫を観察していた。私ものぞいて見ると 実に足の綺麗な虫だった。この会は 実に奥深いとまたまた感心。

 


 滝を見ての帰り道でルリビタキが「ヒッ ヒッ」と鳴いていた。メボソムシクイとシジュウカラは何度かその姿を見る機会があったが じっとしていてくれないので良く見ることは出来なかった。


 車に着く頃 ぽつ ぽつと 雨が降り出した。もう12時半を回っており 急ぎ稲荷川下流域に引き返した。今回も豪華な昼食となった。福田会長の大事な大事な「城」から採ってきていただいた天然のマイタケ入りご飯・朝摘みナラ茸入りけんちん汁・良く味のしみこんだおでん・Sさん差し入れの長茄子の漬物と茗荷の味噌漬け・枝豆つきよく冷えたビール。五つ星のレストランにも負けない味で 皆様感激して美味しくいただいた。
 昼食の後 Oさんが遠くの木(モミ又はスギ?)のてっぺんに鳥を発見。松田さんが急いでプロミナを合わせてくれた。ノスリだ。一寸横向きで喉もとが白いのが良くわかる。
じっーとしていてくれたので 皆が良く観察できた。


 この後松田さんと Iさんから観察結果の報告があった。メボソムシクイがこんなに遅くまで囀っているのには驚きだそうで 鳥にはまだまだ不思議がいっぱいだそうだ。総会もつつがなく終わった。
 次年度には新しいメニューも加わるとの事。楽しみだ。次回の観察会は初めての場所だそうだ。次回にも胸を膨らませながら稲荷川下流域を後にした。

【報告: NO】
【写真: IT】


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