日光野鳥研究会

第19回観察会 報告

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日時: 2002年7月27日〜28日
場所: 奥日光志津・戦場ヶ原
参加者: 14名

7月27日志津

確認できた鳥: ウグイス、アカハラ、ウソ、ホオジロ、メボソムシクイ、ルリビタキ、コマドリ、ホトトギス、ヒガラ、ノスリ、ヨタカ、アマツバメ、イワツバメ、ハシブトガラス
確認できた花: ノリウツギ、シロバナノヘビイチゴ、オトギリソウ、コウシンソウ(花終わり)、ヤマハハコ、コバノイチヤクソウ、タンポポsp、ギンリョウソウ
観察できた昆虫: アキアカネ、ヤマキマダラヒカゲ、コムラサキ、ヒメキマダラセセリ、ヒメキマダラヒカゲ、クロヒカゲ、ナナホシテントウ、アカウシアブ

7月27日 馬返の大谷川

確認できた無脊椎動物: プラナリアsp

7月28日 戦場ヶ原

確認できた鳥: ノビタキ、ホオアカ、アオジ、ニュウナイスズメ、コサメビタキ、キセキレイ、コヨシキリ、コガラ、シジュウカラ、ウソ、イカル、ホオジロ、マガモ、ノスリ、アカゲラ、カッコウ、ホトトギス
確認できた花: ホタルブクロ、ハクサンフウロ、チダケサシ、ノアザミニッコウアザミ、ホザキシモツケ、イブキトラノオ、イヌゴマ、キツリフネ、オトギリソウ、ツリガネニンジン、ワレモコウ、ワタスゲ(実)、コオニユリ
観察できた昆虫: コエゾゼミ、アキアカネ、シオカラトンボ、ダビドサナエ属sp、ジャノメチョウ、ヒメキマダラセセリ、フタスジチョウ、ミドリヒョウモン、コムラサキ、イチモンジセセリ、クロヒカゲ、ウラギンヒョウモン、エルタテハ、ヒメキマダラヒカゲ、ヒカゲチョウ、ヒメシジミ


参考:7/27の日光市内の気温と湿度のグラフ

(グラフは市内のもので観察地の気温・湿度とは大きく違います)


−写真をクリックすると別ウィンドーに写真が拡大されます−

 2002年7月27日。
 志津小屋に泊まる一泊二日の観察会。期待を膨らませながら、いろは坂を上ります。
今回は三本松から志津を往復するコース。天気は、もちろん晴れ。

 戦場ヶ原は、ミヤコザサの緑が清清しく、ホザキシモツケがやさしい薄桃色に咲き始めていました。光徳入口からはミズナラの巨木が目立つ明るく気持の良い林。森の中のドライブを楽しむうちに、梵字へ。

 ここの草むらで、楽しい昼食。
頭上をアキアカネの群れが飛び、ウグイス、ウソが鳴き、こぼした水にコムラサキが、ササの上にはヒメキマダラセセリが休んでいました。
 ここでOさんがノスリらしい羽を見つけました。
この後湯殿沢の砂防ダムでノスリを見ましたけど、さっきの羽の落とし主だった?
ダムの奥の林では、アカハラがキョロロン、キョロロン♪と上機嫌。ルリビタキ、メボソムシクイも加わり楽しそう。上空をアマツバメが横切って行きました。
 カラマツ、ダケカンバと続いた森に、この辺りから葉の形に特徴があるヤハズハンノキが目立ちます。標高が上がってきたのでしょう。

 

 野州原林道のゲートでは、YSくんが、朽ちた木片についた粘菌を発見。
村上さんのルーペで覗くと、そこには小さな小さな美しい世界。
いつもながら、本当によく見つけるものです。
ここでは、里では見られないヒメキマダラヒカゲにも会えました。

 そして、志津小屋到着。
 荷物、水(重かったでしょう。有難うございました)を運んで一息ついていると、ウソがお出迎え。首の赤がキレイです。
足元に見つけた小さな赤い実は、ちょうど食べごろのシロバナノヘビイチゴ。ITさんの「食べてもOK」を信じ味見を。私は「おいしい」まゆみちゃんは「・・・・・・」
 近くにあったお社に「宜しくお願いします」の入山の挨拶をすると、大真名子山に美しい霧が・・・。もしかして山の神さまの歓迎のセレモ二ー?

 この後は、鳥の鳴き声を聞きながら花などを見つけながら、のんびりバードウォッチング。スコープに入ったルリビタキに皆さん歓声。
まんまるの目と美しいブルーの羽。その下のオレンジ色。本当に愛らしく美しい鳥。
私は窓ガラスにぶつかったこの鳥を間近で見た事があるので、特にお気に入り。
Fさんも大好きな様子。嬉しそうに「ルリビタキダヨ♪ルリビタキダヨ♪って鳴くのよね」って。なるほど〜。

 林の中には、コバノイチヤクソウ、オトギリソウ(sp)、ギンリョウソウ。会長に教えて頂いたコウシンソウは、崖にあり花も終わっていましたがスコープで観察。いつか、花が咲いているのを近くで見たいですね。
帰り道では、キツネと鳥の足あとを発見。小さな足あと・・・だれの?
ルリビタキ、コマドリ、メボソムシクイの囀る中、ササ笛の練習をしながら小屋に戻りました。

 さて、お待ちかねの夕食です。
あっと言う間に火が起こされ、子供達が立派なキャンプファイアーに。
その周りでお互いに助け合って作る夕食。
キャンプ初体験の私は調理器具無し。けれどしっかりと食器は持参。
そのお皿にIMちゃんがカレーを、松田さんがスパゲティを入れてくれました。
TAさんの労作のチーズフォンデュも美味しかったですよ。皆さん、ごちそうさまでした。

 楽しい食事の間も聞こえてくる鳥達の囀り・・・いったい何時まで鳴いてるの?
鳴き止んだのは、なんと7時20分でした。

 焚き火を眺めながら仲間と飲むワインの美味しさ・・・わかります?
少なくなると・・・いつの間にか注ぎ足されて(自分で注いだのかも?)・・・時間がゆっくりと流れていきました。

 暗くなって火の明るさが増した頃、今度はヨタカツアーに出発。
遠くで鳴くヨタカの声にジーッと耳を済ませば・・・松田さんさえ?の鳴き声が・・・もしかして、新種発見?

 ナゾの声の主をあれこれと想像しながら小屋に戻り、ふと見上げた空には宝石を散りばめたような天の川。えっ・・・さっきまで雲があったのに・・・これも山の神さまからの嬉しいプレゼント?。
シートに寝転ぶと、下界とは比べものにならない星の数と輝きが、体の上に降ってきそう。
双眼鏡で覗くとさらに数が増して・・・まるで宇宙を浮遊しているような気分。
星に詳しいAさんが途中でお帰りになってしまい、本当に残念。

 こころもお腹も満ち足りて、ふんわり(?)酔って・・・さあ、寝ましょう。
立派なログハウス。私達だけの貸切。
松田さんが「夜中におっきなネズミが出るからね」って脅かすからビクビクだったけど・・・出ませんでしたよ。
星見を邪魔しないようにと遅く出て来た月が、今度は一晩中窓から優しく照らしていてくれました。

 2002年7月28日。
ホーホケキョ♪4時20分。小鳥達は早起きです。
たっぷりと降りた露でカラマツが銀色にけむって見える道を、松田さんを追って下りて行くと、山からも谷からも・・・ほんの3メートル先の梢からも聞こえてくる鳥達の朝のコーラス。
 ルリビタキ、コマドリ、ウグイス、メボソムシクイ、ヒガラなどが、朝の喜びを歌っています。
気がつけば、鳥の囀りだけが聞こえる世界。初めての体験です。虫さえまだ鳴き始めない時期だったんですね。
木々からの出来立ての空気を吸いながら、何時までも聞いていたかった至福の時でした。

 朝食は朝日を浴びながらいただきました。
その後7時15分、山の神さまと山小屋にお礼を言って下山。
朝の光が差し込む美しいカラマツ林を見ながら赤沼に。

 戦場ヶ原は、大勢の人で賑わっていました。
私達はコエゾゼミの鳴き声を聞きながら湯川沿いの木道を歩きます。
ここはやはり自然の宝庫。シジュウカラ、アオジ、イカル、ウソ、アカゲラ、キセキレイ、コサメビタキ、ホオアカ、ノビタキ、コガラ・・・スコープには愛らしい小鳥が直ぐに納まり、松田さんのプロの解説付きの超贅沢な鳥見です。
「目がかわいい」「色がきれい」の感想に、松田さんニコニコ。
「いいスコープですね」には、ちょっと不満げで「・・・・・鳥、ほめてよぉ〜」
本当に鳥がお好きなんですね。
でも・・・ホオアカの鳴き声を、ホオジロよりちょっと下品なんて言ってたけど・・・そんな事言っていいの?

 湯川にはマガモの親子が微笑ましい姿を見せ、川べりには、シオカラトンボ、サナエ科のトンボ、アキアカネ。木道の周りには、ワレモコウ、キツリフネ、ノアザミ、イブキトラノオ、イヌゴマ、コオニユリなどが咲き、それを目当てに、ウラギンヒョウモン、ジャノメチョウ、クロヒカゲ、フタスジチョウ、イチモンジセセリ、ヒメシジミなどが訪れていました。
太陽が照りつける暑い日でしたが、鳥や蝶や花を見て、みんな無邪気なこころに戻っての楽しいひと時でした。

 混む前に早めにいろは坂を下り、「やしおの湯」でゆったり。さっぱり。
昼食を食べて鳥あわせをして無事観察会終了。

 鳥あわせでは、例のナゾの鳴き声を松田さんが、いろは坂を上る前に馬返しの大谷川で見つけたプラナリア(細長いヒルのようなもの)を、Yさんが詳しいらしく、宿題に。

プラナリアの採取(7/27)

 電気も水もトイレも無い山小屋泊を躊躇していましたが、そんな場所だからこそ体験できた感動がありました。
ほんとうに楽しかったです。
皆さん、お世話になりました。山の神さまも、ありがとう。

【報告: ST】
【写真: IT、ST


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