日光野鳥研究会

第18回観察会 報告

日光野鳥研top


日時: 2002年6月16日 午前8:30〜午後3:00
場所: 立木観音〜阿世潟(中禅寺湖南岸)
参加者: 36名

阿世潟

確認できた鳥: センダイムシクイ、キビタキ、シジュウカラ、アカハラ、コマドリ、コルリ、ヒガラ、コガラ、エナガ、コゲラ、アカゲラ、ゴジュウカラ、キバシリ、ヤマガラ、メジロ(雛)、ハシブトガラス、ハシボソガラス、キセキレ、トビ、ツツドリ、マガモ、オシドリ、ミソサザイ、オオルリ、キジバト、ウグイス、カケス
確認できた花: マタタビ、ツルアジサイ、ミヤマガマズミ、ヒトツバカエデ、ミヤママタタビ、ツリバナ、ニシキウツギ、マユミ、ニシキウツギ、ヤグルマソウ、ムラサキケマン、ヒロハコンロンソウ、クルマバソウ、ミヤマカラマツ、カラマツソウ、コミネカエデ、キバナウツギ、ギンリョウソウ、クワガタソウ、クリンソウ、アズキナシ、ヘビイチゴ、オオバアサガラ(蕾)、サルナシ(蕾)、バイカウツギ(蕾)
観察できた昆虫: エゾハルゼミ(抜殻)、ヒオドシチョウ、ヤマキマダラヒカゲ、コチャバネセセリ、カラスアゲハ、スズメガの一種、オオスズメバチ、オトシブミの一種、サナエトンボの一種、アカハネムシアオハムシダマシオオイシアブ
観察できた哺乳類: ニホンザル、モグラの一種
観察できた両生類: カジカガエル(卵塊
観察できた魚類: ヨシノボリ

小倉山

確認できた鳥: サンショウクイ、ノスリ、クロツグミ、カワラヒワ


参考:6/16の日光市内の気温と湿度のグラフ


−写真をクリックすると別ウィンドーに写真が拡大されます−

 観察会の申し込みをすると、週間天気予報が気になる。予定日が近づくにつれ一喜一憂し、前日の予報が「晴れ」なら当たってくれと祈る私。16日は入梅して10日余り「曇り」の予報。今回は一年半振りに奥日光へ遠出探鳥のため、8時30分木彫りの里集合。皆の心はすでに「いろは坂?」との粋な計らいで自己紹介は省略し、それぞれ車に分乗8時40分中禅寺湖南岸・阿世潟を目指して出発した。いろは坂の第二カーブで太陽が顔を出し、明智平のトンネルを抜けると青空と新緑が待っていてくれた。


 立木観音駐車場から9時20分ミソサザイの出向かえを受け、湖畔の観察会が開始された。エゾハルゼミ・カジカガエルの声を聞きながらイタリア大使館別荘方面に向かう途中YS君がモグラの屍骸を発見。車に轢かれたらしくペッチャンコ、路肩の盛り上がりにモグラの軌跡が残っている。M夫人曰く「こんなに土の中を進んで来たのに、地上に出てほとんど通らない車に轢かれるなんて、間が悪いわね」。人間の世界にも当てはまるような気がして私も同感。


 大使館別荘脇の森の中では、キビタキ・センダイムシクイ・カラ類の合唱。キビタキは縄張りがあまり広くないらしく、葉の少ない枝に止まってオレンジののどを震わせながらそれはそれは綺麗な姿を見せてくれた。満足。満足。ハシボソガラスの戯れも見られた。また、広場には色鮮やかな九輪草も咲いて心なごむ場所でもあった。


 ミズナラ・ブナ・カエデ類の広葉樹の森の中は、時々太陽が顔を出して木漏れ日となりアカハラのキョロン、キョロンという鳴き声も聞こえてくる。「アカハラは夜明けに鳴くことが多い」と、松田さんが教えてくれた。探鳥を始めて二年目の私にはまたひとつ新しい知識がインプットされたかな?
湖畔の民宿駐車場でメジロのヒナ発見!!巣立ちはしたがどうやら親鳥と離れてしまったらしい。会長(?)がソッとすぐ脇の森の中に返してあげる。(帰りに見たら姿なし、親の元へ帰ったとのこと。本当に良かった)


 阿世潟の少し手前で12時になり八合目位まで雲にかかった男体山を正面に、中禅寺湖の釣り人・遊覧船・オシドリ・マガモなどを見ながらの昼食は今までと違った趣があって、また、いつも頂く手作り料理に花が咲き賑やかなひと時だった。湖に溺れかかっているエゾハルゼミを長い枝を見つけて助ける人達(魚のえさになってしまうらしい)なんて優しいんだろう。湖に生息する魚・藻、朽ちた木に息づいているきのこ、普段見落としてしまいそうな昆虫類、花々、皆さんそれぞれ博学揃いに新人の私にはビックリすることばかり。

 13時に昼食場所を出発して、また森林浴をしながら同じ道を引き返した。途中のちょっと薄暗い所で見たギンリョウソウは、初めてのせいかなんともいえない怪しさを感じてしまった。


 14時20分にイタリア大使館別荘に戻り、広場にて鳥合わせを行う。東京方面に帰る方とイタリア大使館別荘見学組に分かれ、15時現地解散となった。
今回は鳥影も濃く楽しい観察会であったが、私の心をもっとも暖かくしてくれたのは、皆様それぞれのジュニアがいろんなものに興味を示してよく観察しまた、疑問に対してはお父さん・お母さんが正面からしっかり答えてあげている姿でした。このようにして成長したら「いじめ」や動物の「虐待」などなくなるのに・・・。なんて思ってしまいました。
 暑からず、寒からず、雨にも降られず、自然の恵みをいっぱいに受け本当に贅沢な一日を過ごすことが出来ました。会員の皆様大変お世話になりました。またお会いする日を楽しみにしております。ジュニアの皆んなも頑張ってネ。

【報告: KE】
【写真: IT、WY、YB


日光野鳥研top