日光野鳥研究会

第17回観察会 報告

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日時: 2002年5月19日 午前9:00〜午後2:00
場所: 滝尾神社から稚児ヶ墓
参加者: 38名

確認できた鳥: ツツドリ、カッコウ、アオゲラ、アカゲラ、コゲラ、トビ、クマタカ、ノスリ、シジュウカラ、ヒガラ、ヤマガラ、エナガ、コガラ、キビタキ、クロツグミ、アカハラ、ウグイス、センダイムシク、メボソムシクイ、キクイタダキ、サンショウクイ、ミソサザイ、キセキレイ、モズ、ツバメ、ホオジロ、メジロ、イカル、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、カケス、スズメ
確認できた花: ラショウモンカズラ(白花も確認)、フタリシズカ、ジュウニヒトエユキザサチゴユリフモトスミレ、タチツボスミレ、ミツバツチグリ、トキワナズナ、ムラサキケマン、コアジサイ、ズミ
ヤマツツジ、レンゲツツジ、シロヤシオ、トウゴクミツバツツジ、ベニバナノツクバネウツギ、ミヤマザクラ、シナノキ、ハリギリ、トチノキ、ハウチワカエデ
観察できた哺乳類: 鹿の糞
観察できた爬虫類: ヤマカガシ、タゴガエル(声)
観察できた昆虫: ニホンミツバチ、ウスバシロチョウ、ビロードツリアブ


参考:5/19の日光市内の気温と湿度のグラフ


−写真をクリックすると別ウィンドーに写真が拡大されます−

 予報では雨の心配もされていたが、集合場所の木彫りセンター駐車場では爽やかな青空と強い日差しが待っていた。毎度のことながら日光野鳥研恐るべし!帽子を自宅の玄関に置き忘れてきた私としては嬉しいような、困ったような…。モズ、サンショウクイ、クロツグミのさえずりと愛らしいキセキレイに見送られて、初めて訪れるコース、女峰山登山道にある"稚児が墓"目指して出発した。


 お馴染み滝尾神社山内のミソサザイのさえずりを聞きながら、歴史的情緒溢れる小径を行くのはいつも楽しい。行者堂付近から上り坂が続く。ウグイス、ヒガラ、キビタキ、アオゲラの、声は聞こえど姿は見えず。ラショウモンカズラユキザサ、フタリシズカの可憐な姿に足を止める。やがて一段と険しい急坂となり、この会では珍しく歩くことに専念する会員たちの姿があった。強い日差しは涼やかな木々に遮られて快適そのものだ。ヤマカガシ、鹿の足跡、鹿の糞、威風堂々たるヒノキの大木に遭遇した。
 少し緩やかな拓けたところに出ると、右手に望む霧降高原上空にノスリ1羽、クマタカ2羽がモビングしているのを発見。ホオジロ、センダイムシクイ、カケスは声だけの出演。ほどなく"殺生禁断境石"に到着。「こんな大きな石どうやって運んだのかな」とはみんなの共通の疑問だった。


 再び急坂にさしかかり、上りきったところはヤマツツジの楽園だった。見渡す限りのサーモンピンクに、登山の疲れも吹っ飛んだ。松田先生曰く「これをみんなに見せたかったんだよ。」見せていただいて、本当にありがとうございました。

 


 ヤマツツジの他にもズミの木の白い花が美しく、カラマツ、ミズナラの新緑はまぶしく、アカハラ、コガラ、シジュウカラ、イカル、アカゲラ、ツツドリ、カッコー、ヤブサメ、メジロなど、姿はなかなか見えないが、さえずりの競演が盛んだ。なかでもひときわ耳を引くのはキビタキとクロツグミだが、姿を見せないばかりか、聞き分けも難しい。そこで松田先生「音色で覚えればいいんだよ。」ウーンなるほど。私にとっては目から鱗のアドバイスだが、それって絶対音感にも関係あるのかな。
 キビタキの姿を一目見ようと目を凝らしていると、さえずりが急に近くで聞こえるようになった。みんなの期待が一気に膨らんだその時、「福田さんだよ」という松田先生の声。振り返ると、会長が口笛で鳥寄せをしている。うまいもんだねぇと感心しながら、真似してみたけどうまくいかない。結局キビタキの姿は見られなかったが、イカルをフィールドスコープに収めることができた。


 悲劇の伝説"稚児が墓"を過ぎて、クマザサとヤマツツジの広がる草原で昼食をとった。いつしか空は雲に覆われ、午前中の日差しの強さが嘘のようだ。Sさんの差し入れの蕗や筍の煮物おいしかったです。いつもありがとうございます。

 


 雲行きが怪しくなってきたせいもあり、復路は一気に駆け下りる感じ。途中、Yさんが腕に、蛾か蝶の幼虫を這わせて「何の幼虫だろうね。」といとおしそうにしている。私にはただの毛虫にしか見えなかったので、「そーゆーのって刺さないんですか?」と聞くと、「仲良しだから大丈夫。」と返ってきた。なんという心のやさしいお方。

 


 あと一息で行者堂というあたりで雨に遭遇したが、杉林のおかげで濡れずに済んだ。木彫りセンターに戻ると杉の木のてっぺんにクロツグミを発見。フィールドスコープに収めて小雨の中みんなでその姿を堪能した。鳥合わせはセンター屋内ですることができた。


 それにしても日光の魅力をまたひとつ発見できた喜びは大きい。出会う人も僅かで、静寂の中をのんびり散策するのは素晴らしい贅沢だった。心地よい疲労感とともにこれだけ歩けば体重が減っているかも、と期待していた人は私だけではないはず。でも人生そう甘くはありませんね。5歳の小さなお子さんが大人に負けずに頑張っていた姿には感心しました。不勉強な軟弱会員からのレポートでした。

【報告: OE・OY】
【写真: OI、OY、BY


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