日光野鳥研究会

第13回観察会 報告

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日時: 2001年10月28日 午前9:00〜午後3:00
場所: 足尾町安蘇沢 【標高700m〜1,350m】

参加者: 33名

確認できた鳥: セグロセキレイ、カワガラス、シジュウカラ、コガラ、ホオジロ、ハシブトガラス、ジョウビタキ、トビ、マヒワ(群)  以上9種
観察できた紅葉: カラマツ、ミズナラ、リョウブ、アカイタヤ、アサノハカエデ、カエデsp
観察できた昆虫: イナゴ、カワゲラsp
観察できた哺乳類: シカ(♀)、シカの糞、カモシカの糞・足跡、ツキノワグマらしい糞




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一路、安蘇沢へ  今回は日光市内から出て、初めて隣り町の足尾での観察会です。
 私は内心、会長は探検隊長の様に思っているので、今日も私の知らない足尾町が見られると期待して参加したのですが、期待以上にハラハラ、ドキドキの連続で、感動しました。天気予報は雨マークで、空は雨雲でいっぱいでしたが、晴れ間が出る事を期待して、集合場所の木彫りの里≠フ駐車場に来ました。
林道の途中  誰か雨男か雨女がいたのでしょうか?。初めての集合場所、初めての観察地、初めての雨、と初めてが重なりましたが、秋雨でも美しい紅葉の日光市から、7台の車に分乗し、各車には目印にアルミホイルのリボンをアンテナにつけて、出発しました。清滝を通り、ルート122の方に大谷川の橋を渡ると、間もなく、日・足トンネルに入ります。トンネルを出ると、気のせいか日光の紅葉とは少し異なる様におもいました。
 足尾は20数年前に友人宅を訪れたときに見た、足尾銅山の煙害で、地肌を露出させ荒廃した姿でした。そのとき確かカモシカの姿を見た様に記憶しています。そして友人の口ぐせは「日本のチベットだから」と云うことでした。最近は春になると、あたり一面、真っ黄色になると「エニシダの見頃だから遊びに来てね」と招待されます。

 10時頃に分乗した7台の車が銅親水公園の駐車場に到着しました。
 雨なので鳥の観察は無理かな?と思っていると、MMさんがシジュウガラを見つけました。私も谷を横切るシジュウガラを見る事が出来ました。参加者全員の自己紹介があり、まわりの山々の説明が会長からありました。
下に松木沢を臨む  再び車に乗り出発すると植樹ボランティアらしい5〜6台の車と20人位の人達に会いました。林道と云いたいのですが、岩だらけのデコボコ道を谷側は断崖絶壁、山側は今にも岩が落ちて来そうな、車がやっと通れる巾の狭い道を、カーブをくりかえしながら登っていくと大間々保安林≠フ看板が見えました。
雨の中で  岩肌の山々に貧弱な松の木が、健気に生えており、それでも松の緑と下草や灌木の鮮やかな紅葉が美しい中、真っ白な木肌の白樺が美しさを添えて、見せてくれました。
 デコボコ道の谷側には大きなヤシャブシの木が、何本も並んでおり、実が(松ぼっくりを小さくしたような実)いっぱいついてました。クリスマスのリース飾りにいいなと思うとヤシャブシの実が気がかりになります。
ミズナラの黄葉  「標高1070mです。」とITさんが説明してくれ、阿蘇沢の展望出来る場所で、車を降りると、岩肌ばかりの荒々しい岩山の美しい紅葉は神々しく、心にしみ入りました。
 黒豆の様なフンがあり、隣にそれより少し大きいフンを見つけました。「大、小のフンがあるのでシカの親子が立ち止まっていたのかも知れない。」と説明がありました。またこの場所でイヌワシやオオワシ等を観察した話がありました。頭上の絶壁にハチの巣をMMさんが見つけました。
松木沢上流の谷  Uターンする事も大変な道をバックで戻り、一足早く帰るBTさんが車で降りて行きました。私達は右側の道を登っていくと谷側にシカよけのネットが張ってありました。シカも転げ落ちそうな断崖に植えてある草を守るためだそうです。
 行き止まりにつくと、小鳥の群が50〜60羽、西の方から東の方に飛んで行きました。MMさんが双眼鏡で確認しながら、マヒワの群れだと説明してくれました。
 紅葉の谷を眺めていると、まヒーンまヒーンと高く大きな鳴き声が聞こえて来ました。声の方を探すと谷底に白樺が2本あり、右側の白樺の隣に後ろ向きの白いシカのお尻が見えました。体は茶色と云うより灰色の細い足のメス鹿を確認することが出来ました。すると左側の白樺との間に2頭の同じような、メス鹿が連れだって歩いているのを見ることができました。
最後の紅葉  会長から山々の説明があり、登って来た山は八丁出島の後ろ側(地図では南側)黒檜岳の前側あたりで南側には松木川が流れ、さらに南側の松木渓谷の南側の山に大きな不自然な岩が見えました。名前のある岩かどうかと話あいがありました。日光連山を背に、右手の、山と山の間に山々あり、利根村のあたりだと、会長の説明がありました。雨でも視界は良く、ゴツゴツした岩山の神々しい紅葉を堪能し、満たされた気持ちで帰途に着きました。
 小熊のフンを見つけたと云うSKさんの話があり、フンの中に木の実が入っており、回りにも同じ木の実があったそうです。
松木沢上流の谷を見下ろす  帰途、銅親水公園の手前の谷川のところで、同乗のSTさんがカワガラスを見つけました。谷川を渡ったところで昼食をとり、午後1:45分帰途に着きました。
 紅葉の渋滞を避け、清滝インターから日光インターまで有料道路を使い木彫りの里≠フ二階で鳥合わせ、花合わせ等をして、終わりました。
 私の知っている足尾とは全く違った足尾を見ることが出来て本当に感謝しています。

 文章を書くことも初めてのレポートです。読み上手の皆様に助けられている事と思います。次回も感動の出会いを期待しています。

【報告: SK】

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