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朝起きると夜半まで降っていた雨が上がって、薄日がさしていた。ラッキーだ。早めに集合場所に出掛けた。集合場所に行く道路は、先日の15号台風の影響でかなり水の流れた後があり、デコボコの溝が前より深く刻まれ、運転にも気をつけながら到着した。いつもだと野鳥の囀りが聞こえてくるのに今朝はあまり聞こえなかった。自己紹介の後、車七台に分乗して出掛けた。
雲竜渓谷に行く途中の道はところどころ水路化していたが、両側の道端ではススキが迎えてくれた。テンニンソウもたくさん見られた。
午前9時55分に日向砂防ダム展望台に到着。稲荷川の水量はかなり増えていた。山の半分位まで霧が降りてきていた。山肌には、崖崩れの後が3箇所ほどみられ、茶色っぽくえぐられた土砂が川に真っ直ぐおちこんでいるの見て、先日の雨量の凄さを感じた。展望台でも、あまり野鳥の囀りも聞かれず、飛び立つ鳥の姿も見当たらないのが一寸淋しい。
MMさんから、今までの観察の様子や、今後も猛禽類の基本調査を続けていく事などをうかがった。
ダム展望台を後にして、本来なら、また車で更に上流まで行くのだが、その先は通行止めになってしまった為、徒歩で周辺地区から稲荷川までを観察する事になった。
三々五々道を下っていくとまもなく、道端に雑草と一緒になって"ヤマハハコ"が小さな黄色い花を咲かせていた。暫く行くと、石垣に固まって可憐な白い花をさかせている"ダイモンジソウ"をOKさんが見つけた。写真を撮る人もいて、周りに人が集まってくる。ウメバチソウがこれまた五輪の白い清楚な花びらを開いて其処ここに見られた。山で咲いているのは、葉も花も人里で見られるのとは一味違うようだ。
暫く行くと、前回教えて頂いた葉に特徴のある花にであった。ちかくにOTさんがいたので聞いたら"カメバ○○○"よ と言ったがよく分らず、OYさんが持っている図鑑で調べたら、カメバヒキオコシだった。近くには、ゲンノショウコ、サラシナショウマ、ノコンギク、ゴマナも見られた。歩いていくと、茶色に白い斑点があるチョウが2、3匹飛んでいる。YRさんに伺ったら、ウラギンヒョウモンと言う珍しいチョウとのことだった。
もう、40分以上歩いている。だいぶ川原に近くなってきている。誰かが、カケスの声を聞き分けた。そうしたら、「メボソムシクイやヤマガラなどカラ類の鳥、ウグイスの地鳴きも聞こえますよ」 とMMさんがすかさず答えてくれた。まだ私にはよく聞こえない。早く聞き分けられるといいなあ とこの時も思った。
道の右側に、またウメバチソウの群落状に咲いているのに出会う。ダイモンジソウの花も石垣にあちこち見られた。しばらくして、道路の左側に、見たこともない花が咲いている。白い花びら1枚1枚に黒い小さな点が9つ位集まっていて、その下に黄緑の点が二つ並んでいる。ITさんに早速教えて頂く。花の名前は、アケボノソウ。また、忘れられない雲竜の花との出会いとなった。
やや下り気味の道の左側に、小さな流れがありその中ほどに人垣が出来ていた。駆けつけてみたら、めったに見られないルリボシヤンマ(♂)を放した後だった。OYさんが、今撮影したばかりのルリボシヤンマをデジタルカメラに映してみせてくれた。普段自宅の周りに飛んでいるアキアカネとは全く違い、こんなに美しくて大きなトンボが飛べる環境が残っているんだなあと感激した。
その後、道路左側から急な階段を115段下りて稲荷川にかかる橋に出る。下の稲荷川を見ると白く波立った水面に倒木が流れ、橋の真下には大きな鹿の屍骸があった。その屍骸から悪臭が放たれていた。この鹿は、恐らく川に落ち、流れに巻き込こまれてしまったのだろう。
戻ろうと体の向きを変えたら、目の前の崖にたくさんダイモンジソウが咲いていた。また急な階段を上りきったところで、一羽のカケスが稲荷川の方から山に向かってゆっくり飛んでいった。
その後、私は、1人で皆と反対の方に行ってしまい、REさんとワンちゃんの後を追いかけ、追い越して一人で先を急いだ。途中マユミの大木があり、沢山の紅い実を下げていた。皆の声はするようだけど姿が見えないので、少々あせって早歩きをしていた。後ろから車が追いついてきた。ITさんだった。「皆とご飯食べられませんよ」と言われ、初めて道に迷っていた事に気づかされた。ITさん、皆さん、ご迷惑をおかけいたしました。
時計を見たら午後12時20分を過ぎていた。また、日向砂防ダムから車に分乗し、稲荷川下流域のキャンプ場に戻った。久し振りの探鳥会で皆、時間の過ぎるのも忘れて、熱心に観察したりお互いに教えあったりで、次回が待ち遠しくなるのである。
レポーターと言う大事な役をおおせつかり上手くまとめられませんでしたが大変勉強になりました。
【報告: SK】
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