
前日は雷雨と大風の荒れ模様でしたが、この会の例にもれず当日は、朝から良く晴れてさわやかな観察日和になりました。エゾハルゼミがさかんに鳴いている裏見ノ滝駐車場に集合し、新しく参加したメンバー、特別参加の方々、元気なお子さん達が加わり若やいだ雰囲気の中で、簡単な自己紹介の後、30名が6台の車に分乗して出発しました。

新緑の野州原林道を上っていくと、早くも車の中からコルリの囀りが聞こえ、シロヤシオやヤマツツジの花、トウゴクミツバツツジも見られました。

さらに緑の増したカラマツの林を登って行くと、谷を隔てて女峰へ続く尾根を望む見晴らしの良い所に出ました。そこでは、ウグイス、ホオジロの声が聞こえ、対岸の尾根の松の緑とヤマツツジの赤色のコントラストが鮮やかでした。まだやわらかい動物の糞が見つかり、皆さんからいろいろ意見が出ましたが、F会長がクマの臭いがするのでコグマのものだろうということでした。

丹勢山の麓で、林の中に入ると鳥のコーラスで、ヒガラ、コルリ、ビンズイ、エゾムシクイ、ウグイス、遠くにはジュウイチが聞こえました。林の落ち葉の中には、小さな白花のフモトスミレがあちこちに咲いていました。
更に進んで男体山、中禅寺湖を展望できる場所に着き、車を降りると木の枝にキビタキがいて、数人のラッキーな人達が姿を見られたそうです。日当たりの良い尾根にピンクで花の大きいサクラスミレが咲いていて、日光では割合良く見られるスミレでI副会長の庭にも自生しているそうですが、これだけまとまっているのは珍しいとのことです。

ビンズイがカラマツの木の上で囀るのを聞きながら、みんなでオオイタヤメイゲツの花を観察していると、木の根元の穴からヤマカガシが出てきました。遠くではカッコウが鳴いて、近くではジュウイチが大きな声で鳴きながら飛んでいきました。林の中では黄色のミツバツチグリと薄紫のタチツボスミレのお花畑、濃い紫のフデリンドウが見られました。小さい白骨化した動物の頭の骨が見つかり、YH先生によるとキツネでしょうとのことでした。

ここから引き返して慈観滝の上流に行き、各自持参の弁当を開きました。見晴らしの良い堤の上で、流れを渡ってくる心地よい風の中、キビタキ、キセキレイの声を聞きながら至福の時を過ごし、今度は歩いて滝を見に行きました。滝を望む場所はオーバーハングになっていて危ないので少人数で行くように注意があり,恐る恐る覗くとすぐ下に滝が見えミソサザイがいたとのことでした。道に戻ると、キツネが林道を横切ったそうです。ビンズイも林の中に降りてから飛んでいきました。近くに巣があるようです。松田顧問からビンズイはヒバリと同じように草地のくぼみに巣を作るとの説明がありました。メボソムシクイ、アカハラ、ツツドリが聞こえ、エゾムシクイの「ヒーツーキー」がすぐそばの高い木の上の方から聞こえていました。どうしたのか両方の羽が破れたノスリが飛んでいきました。帰りの林道ではミヤマザクラの白い花が見られ、ゲート近くでセンダイムシクイが鳴いていました。

裏見ノ滝駐車場に戻り、鳥、花、昆虫など本日の記録をまとめました。松田顧問から「葉が茂って姿はあまり見られなかったが、鳥の声は良く聞かれた。杜けんも多く、日光は江戸時代からイワツバメとともにジュイチの名所と言われている。」とお話があり、また、「ポ、ポ、ポ、ポー」と4声続けて鳴くのを聞いた人がいて、セグロカッコウの可能性があるというお話もありました。
新緑と色とりどりのツツジの中で数多くの夏鳥の声を聞きながら、男体山、女峰、中禅寺湖など、日光の雄大な自然を満喫できた本当に楽しい1日でした。
【報告: OKan OKaz】
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