日光野鳥研究会

第7回観察会 報告

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日時: 2001年3月18日 午前9:00〜午後1:00
場所: 日光山内(東照宮・輪王寺・二荒山神社周辺)

参加者: 20名

確認できた鳥: ホオジロ、セグロセキレイ、スズメ群、ジョウビタキ♂、ミソサザイ、ヒガラ、キクイタダキ、ゴジュウカラ、キセキレイ、ヤマドリ♀、アトリ群、エナガ、マヒワ群、カケス、小型タカ類、アオゲラ、コガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒガラ、トビ、ノスリ、ハシブトガラス、ハシボソガラス、キジバト、ヒヨドリ、ドバト、カワラヒワ 以上28種
観察できた植物: クリンソウの芽、ヤマネコヤナギ、ミツマタのつぼみ  以上3種
観察できた動物: ニホンジカ  以上1種
観察できた昆虫: キタテハ  以上1種
観察できた両生類: ヤマアカガエル(成体・卵)  以上1種



スギの巨木の中でミソサザイのさえずり
 数日前の天気予報では当日の天気はあまり良くないとのことで開催が心配されていたが、前日からの雨もあがり、昼近くには快晴となり、あたたかく春らしい観察会の開催となった。日光野鳥研究会の観察会は、しかしよくこれだけ天候に恵まれるものだ。
 午前9:00にシャトールイーズに集合し、新しく仲間にKaさん、Kiさんを迎えたため、簡単な自己紹介を行った。斯く言う私も正式会員としては初の観察会である。
スギの巨木の石畳の道を
 車で美術館駐車場まで行き、いよいよ散策開始である。男体山、女峰山を眺めると先週に比べ雪の量もだいぶ減り、日光の春を観察会の中で満喫できる期待に胸が膨らむ。今回は、「ミソサザイの囀りを聴く」のが目的だ。

 雲竜渓谷に向かう道に入ると、すぐに出迎えてくれたのがジョウビタキ♂とホオジロ。ジョウビタキのオレンジが非常に鮮やかである。
 山道に入り、開山堂あたりで素晴らしくきれいな鳥の囀りが聞こえる。これが今回の観察会の目的であるミソサザイの囀りであると松田顧問からお話があった。
行者堂から二荒山神社へ
 私は野鳥観察の初心者であるが、鳥の「囀り」や「渡り」などで季節を感じられるということは、本当に素晴らしいことだと実感した。ミソサザイは山道に顔をだしてくれた。ミソサザイには失礼であるが、囀りの美しさのわりには地味な鳥であった。そして、その付近でKaYoさん達が騒ぎ始めた。どうもヤマドリがいたらしい。皆で林の中に入って確認しようとしたが時すでに遅し。どこかに身を隠してしまったようだ。

 杉の老木が立ち並ぶ山道では、その他にもヤマガラ、シジュウカラ、ヒガラ、ゴジュウカラなどのカラ類、エナガ、アトリ、キクイタダキにも会うことができた。また、キクイタダキの囀りも松田顧問から教えていただき聴くことができた。
ヤマアカガエルを観察
 行者堂がある山道の峠を越えると、またまたKaYoさんが、騒ぎ出した。今度は小型鷹類がいたらしい。ツミかハイタカのような小型の猛禽類だったとのこと。しかし同じ道を歩いているというのに、よく見つける。

Teさんのスコープで遠くから撮影
 山道を降りていくと、山道の下の沢の水溜りからカエルらしき鳴き声が聞こえる。双眼鏡でよく見ると、カエルやカエルの卵がたくさん見える。
 さあ、これからはなぜか日光カエル研究会に変身。全員、カエルを見るために双眼鏡が下の水溜りに向く。それだけでは飽き足らず、とうとう、水溜りまで行き、カエルの卵を手にとって、「新鮮な産みたて卵、酢醤油でたべたらおいしそう?」という冗談まで飛び出し、ひとしきりカエル観察で盛り上がった。両生類に詳しいOkさんの話では「ヤマアカガエル」とのことであった。
上が♂、下が♀
 鳥にこだわららないところがこの観察会、日光野鳥研究会の良い所だろう。しかし、カエルや卵を手にとって見たり、写真を撮ったり観察しているI副会長、Okさんたちは無邪気な子供のように楽しそうで、自然を心底愛する人たちがいるこの会に入れていただいて、非常に嬉しく思った。

KaYoさんに捕まってしまった!
 二荒山神社の素晴らしいスギの老木を見ながら東照宮宝物館下の水場を通りかかると、そこにはコガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒガラなどのカラ類やアトリなどが顔を見せていた。またマヒワの群れにも出会った。近くにはアオゲラが遊び、この水場でビール片手にゆっくり腰を据えて見ると、いろいろな鳥に出会えるのではないかと思った。
ほんとうにおいしそうな卵
 帰りがけにはクマタカらしき大型鷲類が飛んでいたが、残念ながら確認はできなかった。

 今回の観察会は、その他にもヤマネコヤナギ、ミツマタのつぼみ、クリンソウの芽や、冬眠からさめたキタテハなども観察でき、日光の早春を肌で感じる観察会となった。

【報告: M.I、M.K】




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