日光野鳥研究会

第3回観察会 報告

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日時: 2000年6月4日 午前8:00〜午後2:30
場所: 雲竜渓谷

参加者: 13名

確認できた鳥: オオルリ・ミソサザイ・メボソムシクイ・センダイムシクイ・ホオジロ・アマツバメ・イワツバメ・ツツドリ・カッコウ・ホトトギス・ノスリ・ハシブトガラス・カケス・ヤマドリ・ルリビタキ・シジュウカラ・ヒガラ・ウグイス・アオゲラ・キジバト・ヒトドリ・コガラ 以上23種
観察できた花など: ヤマハタザオ・イワハタザオ・クワガタソウ・アカヤシオ・トウゴクミツバツツジ・シロヤシオ・ユキワリソウ・コウシンソウ・ヤマツツジ・ウラジロヨウラク・キバナウツギ・シロバナノヘビイチゴ・ミヤマザクラ・ズミ
観察できた昆虫: エゾハルゼミ・アカタテハ・エゾスジグロシロチョウ・ヤマキマダラヒカゲ・アサギマダラ・オナガアゲハ

報告者: RY


稲荷川展望台から赤薙山
 前日の雷雨に大気が洗われて、この季節にはめずらしくすんだ青空の下、今年2回目の自然観察会が行われた。

 午前8時シャトー・ルイーズに集合。新メンバーの岡さん、吉成さん、大山さんの紹介の後、今回の目的地雲龍渓谷へと向かう。
 途中展望台で新緑に包まれた雲龍の全景を堪能してから、さらに奥へと進む。艶やかなヤマツツジの花に歓声を上げながら九九折りの道を登っていくと女峰への稜線の大峭壁が覆い被さるように迫ってくる。

アマツバメの岸壁
 林道の終点に着くと、待ちかまえていたように上空に猛禽が現れる。翼下の白が陽の光を透かすように美しいノスリだ。上空にはイワツバメ、アマツバメの数10羽の群れが飛び交っている。輝くような緑に包まれた岩肌には、点々と白いヤシオツツジ、ピンクのトウゴクミツバツツジが望まれる。その中から金属的な声のエゾビタキの声やのどかなオオルリのさえずりが聞こえ、遠くではツツドリも鳴いている。
 途中、雲龍瀑の美しい姿を望見してアマツバメの巣のある岩壁の下を過ぎると足下が不安定で歩きにくくなる。ここでは、岩肌にへばりつくようにして小さな花弁をもたげ、コウシンソウが迎えてくれる。花を見るのは初めてで、うっかりすると見過ごしてしまうほどの小さな花だ。
ユキワリソウ
 限られた場所にしか生育しないこの花は、雲龍の宝のひとつだと思う。この岸壁にはユキワリソウも咲いていて、しばし日光野草研究会に早変わりして、各々可憐な花を愛でて過ごした。

 ここから来た道を引き返す。途中、シカの糞を見つける。普段見られるコロコロと丸まったものではなく、粘りけのあるくっつきあったもので、新芽を食べる時期に見られるそうだ。
 下の方に降りてくるとエゾハルゼミの合唱が始まり、鳥の声が聞こえなくなる。道ばたのクワガタソウやヤマハタザオの花を見ながら強い陽ざしの中を歩く。
 セミが鳴きやむとヒガラ、メボソムシクイ、センダイムシクイのさえずりが耳に入ってくる。昼近くおなかも空いて、気もそぞろとなってきた頃、低くドドドド・・・とヤマドリのドラミングを耳にする。腹に響いてくるような独特の低音だ。
 展望台に着くと、先に戻った福田会長が昼食の用意をして迎えてくれる(たいへん、お世話になりました)。
 昼食後、稲荷川の河原に降りて記念撮影をしてから、シャトールイーズに戻る。

稲荷川日向砂防堰堤にて
 記録をまとめ、次回(7月16日 野州原林道)の予定などを決めて散会する。
 今回はあまり鳥を目にすることはできなかったものの、天気に恵まれ、初夏の雲竜渓谷を十分に満喫できたと思う。


参考:
6月4日の日光市内の気温と湿度のグラフ(観測地:稲荷川下流域)


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